クリスマスプレゼント
シングルファーザーの僕は、娘のクリスマスプレゼントに悩んでいる。
娘は小学5年生だ。不器用な僕に我儘も言わず、素直な良い子に育ってくれた。
お人形を欲しがる歳でも無くなったし、最新のゲーム機にも興味が無いようだ。文房具などでは、クリスマスプレゼントらしくない。
本がいいかもしれない。読書が好きなようだから。だが、本ならなんでも良いわけでも無いだろう。
考えてもしょうがない。娘に直接聞けばいい。
「クリスマスプレゼント、何が良い?」
「お父さんには、言わない。サンタさんに手紙を書く」
と、娘は少し不機嫌そうに応えた。もうサンタなんて信じちゃいない歳だろうに。
翌朝、目を覚ますと僕の枕元に手紙がおいてあった。サンタさんへ。と書いてある。中にはこう書いてあった。
「サンタさんへ。 クリスマスプレゼントはブラジャーが欲しいです。体育の時間が恥ずかしいから」
ああ、僕は情けない父親だ。娘の事を案じてやれない情けない父親だ。
その日のうちに、娘を連れてデパートに行った。女性の店員に「お願いします」と、娘を預ける。
ほどなくして、ラッピングされた袋を大事そうに抱えた娘が言った。
「お父さん、ありがとう」
「ありがとうは、サンタさんに言いなさい。クリスマスで無くても、いつでも良い。また、手紙を出すといい」
「お父さん、ありがとう」と、彼女はもう1度言った。




