96.リゾート惑星ベリタス
17章のあらすじ
登場人物:佐々木啓介(30歳、男性)、リベラ(船のAI、女性)、宇宙商人・ギル(130歳、男性)、ノア(30歳、カジノ専門家/副代表、女性)、メイリン(29歳、なんでも屋、女性)
アヴァロン完成まで1ヶ月。佐々木たちはハイローラー開拓の旅へ。惑星カースの領主に対し、リベラは「金より信用が欲しい」と切り出し、アヴァロンの最初の客になってほしいと勧誘。そのために「困り事を何でも解決する」と提案し、資源調達力と自爆船団の戦略で実力を示し、領主の関心を引く。宇宙海賊拠点での資源採掘依頼を獲得する。
リゾート惑星『ベリタス』。
巨大なドームに覆われた屋内ビーチでは、白い波が打ち寄せていた。
メイリンは、その人工の波の上で、見事なバランスでサーフィンを楽しんでいた。
佐々木とノアは水着姿でパラソルの下、ビーチベッドに寝転んで話をしていた。
「リベラ、まだかなぁ」
ノアは空を見上げた。
ここへ移動してから一週間。
ノアはここにあるカジノ『ラグーナ・パレス』でハイローラーをアヴァロンに呼び込むきっかけを掴もうと考えていた。
しかし、そのための資金が少なすぎるため、リベラにアークへ換金可能な資源を取りに行ってもらっていた。
「ねえ、佐々木。私、ついていくって言ったのに、カースでもここで役に立ててないね…」
佐々木はそう言ってしょげるノアの髪を優しく撫でた。
「全然気にしてないよ。むしろ、こんないい所にノアと来れて良かったと思ってるよ。気にせず、メイリンのように目いっぱい楽しんで」
ノアは佐々木を見つめ、嬉しそうに微笑んだ。
「私、今夜はサービスしたい気分だわ」
「サービスですか?いいんじゃないでしょうか」
ビクリとするノアの後ろのパラソルから、リベラが現れた。
リベラの後ろには、水着姿のアテナもいた。
「うちの建築の参考になりそうだし、何より楽しそうなんで、ついてきちゃったよ。ノアちゃんは今日もかわいいねぇ」
メイリンも、佐々木たちのもとに戻ってきた。
「ささきー!サーフィンって初めてしたけど、むちゃくちゃ楽しーな!アヴァロンにもこれ作って!」
佐々木は笑いながらいいよと答えた。
佐々木の答えを聞いたメイリンはビーチベッドで横になる佐々木に飛び込んで顔を近づけた。
「やったー!今夜はサービスする!」
「昼間っからサービス予約が複数入るなんて、ハーレムの主は大変だね」
アテナの声に、メイリンは視線を向けた。
「あっ、ねえさんも来てたんだ。今の話、聞いてた?佐々木の許可がおりたから、お願い、コレ作って!」
メイリンはおもちゃを欲しがる子供のように、白い波の立つプールを指さした。
「わかった。後でここの施設の管理者に会いに行ってくるよ」
「ありがとー!よーし!じゃあ、みんな揃ったみたいだし、パーッと豪華な昼食にしようぜ!」
メイリンが声を張り上げた。
テラスレストランでの昼食中、ノアはリベラに尋ねた。
「リベラ、どんな資源を持ってきたなの?」
「ギルさんに出発前に相談したところ、市場価格に影響を与えない『金』にしておけと言われましたので、それに従いました」
リベラは言い、先ほどカジノに収めてきたこと、換金後スタッフが合流してくれることを伝えた。
昼食の途中、一人の女性が佐々木たちの元にやってきた。
その女性はカジノのVIPスタッフで『レイラ』と名乗った。
レイラは、品のあるタイトな制服に身を包み、知的な印象を与えた。
ノアは彼女の隙のない立ち居振る舞いを見ていた。
これがハイローラーに対するカジノ側の最高レベルの接待だと直感した。
「我々のカジノにお越しいただきありがとうございます。先程リベラ様よりお納めいただいた金属の換金が終わりました。ご確認をお願いします」
リベラがそれを受け取り、確認した後、ゼロがたくさん並ぶ証明書を佐々木に渡した。
佐々木はそこにサインをした。
レイラはすぐに続けた。
「現在、お客様のお泊りはどちらでしょう?よろしければ、当リゾートの最高級スイートルームが、空いておりますのでそちらにお移りになりませんか?」
メイリンが高いんでしょ?と聞くと、レイラは笑顔で答えた。
「いいえ、お代は結構です。ささやかですが、当カジノからのおもてなしとお考え下さい」
佐々木の許可を得て、リベラが依頼に応じた。
「お部屋の移動は、こちらでご協力させて頂きます。その他、滞在中必要なものがあれば何でもおっしゃって下さい」
すべてが無料であると頭を下げた。
ノアは驚きを隠せず、リベラに耳打ちした。
「一体、いくらカジノに預けたの?」
リベラは微笑んで答えた。
「100億クレジットです」




