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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第17章:カジノと信用

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91.資源予測

緊急放送が鳴り響く中、リベラはラウンジの通信設備を介してゾルグに連絡を取った。


ゾルグは、緊急放送で理由もわからずパニックに陥っていた。


「なんだ? 今は緊急事態で忙しい!」

ゾルグは荒々しい声で応答し、一方的に通信を切ろうとした。


「お待ち下さい!今、話を聞かないと後悔することになりますよ」

リベラは冷ややかなトーンで言い放ち、ゾルグの動きを止めた。


ゾルグが無視して通信を切ろうとした所、隣にいた秘書がゾルグの耳元で冷静に何かを囁いた。


ゾルグは一瞬ぎょっとした顔を秘書に向けたが、すぐに落ち着きを取り戻し、通信機の前に戻った。

「…続けろ」


リベラは説明を始めた。

「今、ここへ向かっている宇宙船団は我が社のものです。あれはただの資源運搬船です」


「バカなことを言うな!宇宙船団の規模を理解しているのか?お前たちに依頼した資源にしては、あまりにも数が多すぎる!」

ゾルグは再び声を荒げたが、リベラはすぐに目録の内容を確認するよう促した。


「先ほどお見せいただいた目録、最終ページまで確認してください」

ゾルグは疑念を抱きながらデータパッドを確認した。


本来、資源調達とは、採掘から始まるものや、複雑な加工を必要とするものなど、非常に長いリードタイムを必要とするものもある。


消費量を予測できるものは価格変動リスクを抑えるため、需要予測を立て、前広に調達者に情報を提供する事がある。


ゾルグが渡した、目録の最終ページには、その需要予測が記載されていた。

その期間は、実に10年分。


リベラは淡々と続けた。

「そちらに書かれている資源のすべてを、我が社はご用意いたしました」


ゾルグは驚愕に目を見開いた。

「バカを言うな!そのような契約を結んだ覚えはない!」


リベラは、佐々木に小声で何かを話しかけると、佐々木は静かにうなずいた。


リベラは再びゾルグに向き直り、余裕の笑みを浮かべた。

「社長の許可がおりましたので、それでは、今回の資源は無償でご提供させて頂きます」


ゾルグはそれを聞いて、一瞬停止した後喜びだした。

実に10年分の資源をタダでくれると言うのだ、喜ばない理由がない。


しかし、隣の秘書がゾルグを押し退けて通信に割って入ってきた。

「佐々木さん、お待ち下さい。我々のステーションには、このような量の資源を保管する保管庫が存在しません。正規の料金をお支払いいたしますので、予測分の資源はお持ち帰り頂けないでしょうか?」


佐々木が返答しようとするのを、リベラが静かに手を上げて静止した。

「はい。それがそちらのお望みでしたらそのように対応いたします」


秘書は安堵の息をついた。

「ありがとうございます。かさねがさね申し訳ありませんが、お支払い手続きに少々お時間を頂きたく、本日はわが星の宿泊施設にお泊まり頂けますでしょうか」


佐々木たち4人は、カース星の豪華なホテルの一室に案内された。


佐々木とどっちが一緒に寝るか、ノアとメイリンが隣の部屋で交渉している中。


佐々木はリベラに話しかけた。

「何であの秘書さんは、資源の提供を断ったんだろうね?」


「良識のある人物は断ると思いますよ。だって私たちにはハイローラーを呼び込むほどの信用は今はありませんから。でも…」

扉をノックする音にリベラは話を中断した。


「信用はまだありませんが、今日の出来事は、ハイローラーの気には引っかかったかもしれませんね」


佐々木に許可をもらい、入口の扉を開けるとゾルグの秘書が立っていた。


「失礼します。この星の領主が、皆様にお会いしたいと申しております」

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