90.惑星カースの商談
佐々木は、リベラ、ノア、メイリンを伴い、惑星カースの宇宙港へと降り立った。
カースは個人所有の惑星でありながら、宇宙港は外部の人も利用できるよう開放されていた。
宇宙港が開かれている理由は、外部との商談の場として活用するため。
ギルがカースの商人に連絡を入れ、どんな資源でも用意できる凄腕の商人として佐々木を紹介をしてくれた。
宇宙港の商談スペースで待っていると、カースの商人が現れた。
恰幅がよく、油断なく目を光らせた太った横柄な男はゾルグと言った。
その隣には、無表情でスラリとした体躯の秘書の男が控えていた。
ゾルグは、佐々木たちを一瞥し、横柄な態度で言った。
「ギルから話は聞いている。お前らが資源なら何でも揃えれる商人だとか。ふん、よかろう。今ココには、お前らの豪語が嘘でないか試すのに丁度いい目録がある」
秘書が近くのモニターに目録を表示した。
目録には、異常な量の資源と、希少な特殊資源の名前が並んでいた。
これは、ギルが約束したどんな資源でもそろえるという過大広告を試すための、非常識な量のオーダーだった。
佐々木はその目録の『長さ』に驚いた顔をしてしまった。
それを見たゾルグは、腕を組みニヤリと笑った。
「その顔、無理そうだな。何でも揃えると聞いて期待していた…」
「問題ありません。すぐにでも、全てご用意出来ます」
得意げに話す、ゾルグのセリフをしゃべり終える前にリベラが割って入った。
「…ふん。ならすぐにもってこい!」
機嫌を損ねたゾルグはそうリベラに言い放った。
「了解いたしました。調達と運搬に要する時間はあと2時間です」
ゾルグとその隣に立っていた秘書も、リベラのこのセリフには初めて表情に戸惑いを浮かべた。
憮然とした態度で引き返していくゾルグを見送り、佐々木たちは、宇宙港のラウンジへと移動した。
メイリンは不安を隠せず、リベラに耳打ちした。
「おい、リベラ。あの目録、結構な量の資源が載っていたようだけどホントに大丈夫なのかよ?」
リベラは穏やかな笑みを浮かべた。
「よく見てますね、メイリンさん。でも大丈夫ですあの程度の量はアークが持つ資源から考えると微々たるものです。ただ…」
「むしろ、われわれの心配ではなく、ゾルグさんの心配をした方がいいですね」
メイリンは首を傾げたが、リベラはすぐに分かると言い、それ以上何も語らなかった。
しばらくして、宇宙港に設置されているパトランプが回転し、緊急放送がなりだした。
「緊急事態です。現在所属不明の多数の宇宙船がカースへ向かってきています。保安員は所定一について下さい。一般人は近くのシェルターへ避難願います」
「始まったようですね」
そう言うとリベラは立ち上がり、ゾルグへ連絡を取ることにした。




