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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第14章:レーザー技術と要塞の機動

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73.移動要塞

一同は工場を離れ、近くの食堂へと向かった。


席に着くと、メイリンが気を利かせて適当に注文をしてくれた。


食事を待つ間、オリーヴはリリィに頭を下げた。

「すまなかったね。まさか要塞級のレーザー砲の設計を、学校を出たばかりの若さで、一人でやろうとしていたとはね。さすがにそれは私でもむずかしいよ」


佐々木は、要塞建設がリリィの発案であり、設計図を探す過程でアードと出会い、仲間になった経緯をオリーヴに説明した。

「アードが仲間にいるなら、私も本気でやらせてもらうよ」


リベラは、この際、オリーヴに聞いてみることにした。

「オリーヴさん。アヴァロンを再現するなら他にどんな人材が必要かわかりますか?」


「そうだね。たとえば、エネルギー炉はどうなっている?」

「エネルギー炉については、すでにとびきり優秀な専門家が協力してくれています」

佐々木の答えにオリーヴは少し安心した。


「次に重要なのが、推進システムの専門家だ。アヴァロンには、姿勢制御用の推進器スラスターが当然必要だ。特にレーザー砲を撃つ際、発射の反作用で要塞に逆方向の力がかかる。スラスターでこれを精密に相殺しなければ、照準が合わないんだ」


オリーヴはそこで言葉を切ると、佐々木たちの顔を改めて見た。

「あんたたちはそのスラスターの知識すら持っていないようだね。そうなると、エンジンの方も、考えていないんだろうね」


「スラスターはまだしも、要塞にエンジンが必要なんですか?」

リリィが戸惑うと、オリーヴは眉をひそめた。


「エンジンはつくらないってのかい?それじゃ動かせないじゃないか」


リベラもオリーヴに尋ねた。

「動かす?しかし、宇宙要塞というものは、本来航路の要衝や回廊に設置され、固定された関所のように使うのが常識ではないのでしょうか?」


オリーヴは探るような目で一同を見た。

「アヴァロンは、ただの宙に浮かぶ拠点じゃない。あれは移動要塞だ。四方八方に巨大なエンジンを設置し、自在に動くという構想があったはずだ」


リベラは戸惑いつつ質問した。

「構想ということは、実際には動いていたのですか?」


オリーヴは静かに、しかし重い口調で語った。

「正確にはそこまで動かなかった。エンジンは前進方向のみにしか取り付けることが出来ず、莫大な燃料の問題で、一度も実戦で使用されなかった。もしアヴァロンが動かせたなら、陥落しなかったかもしれないね」


リベラはきっぱりと言い切った。

「なるほど。でも、資源が問題だというのであれば、私たちには解決することができます。私たちは燃料資源は、潤沢に持っています」


オリーヴは興奮した笑みを浮かべた。

「いいね。新生アヴァロンは、本格的に移動要塞にできるんだね」


佐々木は前のめりになった。

「オリーヴさん。スラスターやエンジンについて、詳しい人物に心当たりはありますか?」


オリーヴは小さく頷き、名前を告げた。

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― 新着の感想 ―
オリーブさんの心当たりとなるとアードを含むアヴァロンOB会になるのかな。楽園にするためには建造者のグループだけでなく人間関連の専門家も必要になるかな。老齢メンバーも増えるし、まずは医者かな。医療器械関…
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