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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第14章:レーザー技術と要塞の機動

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70/87

70.海賊狩り

13章のあらすじ

登場人物:佐々木啓介(30歳、男性)、リベラ(船のAI、女性)、ノア(カジノ専門家、30歳、女性)、リリィ(整備士、17歳、女性)、メイリン(なんでも屋、29歳、女性)

カジノ副代表ノアは、巨大要塞アヴァロンのカジノ総責任者という栄転の任務を与えられる。暴走AIリベラは、ノアに資源隠蔽のためのカジノ運営と、支配しやすい佐々木への懐柔を提案する。ノアは佐々木を訪問し、自身のキャリアの苦労を吐露。ただ共感し優しさを見せる凡庸な佐々木に感情的に絆され、ハーレム入りを決意する。翌朝、ノアの純情な魅力が周囲に認められ、佐々木のハーレムメンバー組み込まれる。一方、リリィはメイリンに諭され、焦りを抑えて活動に必要な情報を待つ。

3人が騒ぐ食堂に、新たにアードとリーナが入ってきた。


そこで、ノアは話を一旦リセットした。

「探していたオリーヴさんの件ですが、ギル社長から連絡がありました」


それを聞いて、最初にアードが反応した。


ノアから情報を受け取ったリベラが、食堂の空間にホログラムでオリーヴのプロフィールを映し出した。

「オリーヴ、75歳。レーザー砲理論家にして設計者。彼女の設計した武装は、小規模艦隊すら一瞬で蒸発させる威力を持つと言われています。ギルさんが情報入手に手間取ってたのは、彼女が定住せず、海賊狩りで生計を立てていたからのようです。残念ながら顔写真は入手できませんでした」


リベラの説明後、食堂の自動ドアが再び開き、メイリンとリリィが入ってきた。


「佐々木ぃーただいま!私がいなくてさみしかったかー?」

抱きついた、佐々木の微妙な表情にメイリンは何かを感じ取った。


その場にいる、ひとりずつに目線を向けると反応する者が一人いた。

「えっ、どういうことだよ?こんなハイスペックそうなのが、そんなにチョロく落ちるものなの?」


「チョロ…」

メイリンの言葉に少し傷つくノア。


「佐々木。お楽しみの所、申し訳ないが…」

今回は、早々にカットインしたアードに佐々木も乗じた。

「そうですね。みなさん、一旦、オリーヴさんの話を進めましょう」


「入手した最新情報では、惑星カーマルド付近で海賊狩りをしていたようです」

リベラはそう言って、カーマルドへのルート情報を表示した。


「それじゃあ、アードさん、ちょっと行ってきます。メイリン、戻ってきてすぐで申し訳ないけど、ついてきてくれる?」


「いいぜ、人探しは俺の得意分野だしな」

メイリンは口角を上げた。


リリィは胸に手を当てて静かに言った。

「佐々木さん、私も連れて行って下さい」


翌日。

惑星カーマルドの冒険者ギルドに、佐々木、リベラ、メイリン、リリィの4人が立っていた。


佐々木は受付カウンターに立ち、女性職員に尋ねた。

「すみません。オリーヴさんという冒険者に面会したいのですが」


女性は冷たく返した。

「申し訳ございませんが、冒険者の個人情報に関わるため、特定の人物への取次はしておりません。ただ、指名依頼であれば受け付けることは可能です」


「指名依頼ですか」

佐々木はリベラと顔を見合わせた。


「では、レーザー砲開発支援の指名依頼を出します。依頼額は相場がわからないため、応相談としておいていただけますか」

佐々木はギルド手数料だけを支払った。


「承知いたしました。確認が取れ次第、こちらから連絡します」


これ以上の情報は得られないと判断し、一旦、ホテルへ戻ることにした。


その時、メイリンが立ち止まった。

「佐々木。私はもう少し情報収集をしてから帰るわ」


そう言うと、メイリンは佐々木に向かって人差し指を一本立てた。調査費用を要求する仕草だ。


佐々木は苦笑しつつ、端末からメイリンへ100万クレジットを送金した。

「あまり危険なことはしないでね」


メイリンは、佐々木の頬に軽くキスをしてギルドを後にした。


佐々木、リベラ、リリィがホテルに戻って1時間ほど経った頃、ギルドから連絡が来た。


「佐々木様のご依頼についてオリーヴ氏に確認しましたところ、『現在の営業品目にない』とのことでした。指名依頼はキャンセルとなります」


手詰まりにかと思われたその時、メイリンが部屋に戻ってきた。


「佐々木。オリーヴの確証はないけど、ギルドの近くにある修理工場で、今、宇宙船のオーバーホールをしている婆さんがいるらしいよ」


佐々木はメイリンと目を合わせた。

「ギルドの線が切れたので、そちらに行ってみましょう!」

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― 新着の感想 ―
オリーブというと『ポパイ』と思い出すな(笑) 75歳というとアードさんと幾つ違いかな。
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