表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第12章:防衛とプロジェクト進捗

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/90

62.となりで眠る野獣

「えーと。何で、こうなったんだっけ?」


佐々木はアークのベッドで、ぼんやりと隣で眠る女性を見つめていた。

そこには、裸で大の字になって、腹をポリポリをかきながら眠るメイリンがいた。


佐々木は、昨日の食堂の後のことを思い出していた。



食堂での進捗報告の後、セレネは名残惜しそうに佐々木を見つめた。

「仕事のキリが悪くて、今日は作業場へ戻ります…」

そう言い残し、セレネは真っ先に食堂を後にした。


メイリンは、アンドロイドに促され、自分の新しい部屋へと向かって行った。


アードやリーナ、リリィら他の面々も、それぞれの研究や休息のために自分の部屋へと戻っていった。


佐々木は心身の疲労を感じていた。


カマール星での極限状態からの帰還、そして長時間の報告会。

今日は、大浴場でさっぱりしてぐっすり寝ようと決めた。


佐々木が大浴場に向かおうとした時、リベラが話しだした。

「佐々木様、入浴のお供をしたいのですが、申し訳ありません。まだこのボディは、防水処理が完全に完了しておりません。本日はお一人で入浴願います」


「そんなの気にしなくていいよ、リベラ。いつもありがとう」

佐々木は一人で豪華な大浴場に入り、熱い湯船に身を沈めた。


その快適さに、一日の緊張が解けていき、あの感情が湧き上がってきた。


「なんだか、さみしいなぁ…」


その時、浴場の扉が開く音がした。


「うわ、すっげぇ!これがアークの風呂か!でけぇプールじゃねーか!」

現れたのは、タオルを肩にかけただけの裸のメイリンだった。


佐々木は慌てて上半身を湯船から出し、目元を覆った。

「メ、メイリンさん!ごめんなさい!すぐに出ていきますから」


佐々木が慌てて湯船から上がり、出ようとすると、メイリンがかけ湯をしながらそれを引き止めた。

「まぁ、待て待て、何焦ってんだよ?」


メイリンはそのまま湯船に浸かり、佐々木の隣に座った。

「リベラがな。自分の代わりに佐々木の体を洗えってさ」


リベラから、まさかのサービス代行を命じられていたことを知り、佐々木は顔が熱くなった。

「リベラが?そ、そんな、ご迷惑を…」


「いーのいーの。ほら、背中向けろ。疲れ取ってやるよ」

メイリンに言われるがまま、佐々木は羞恥に耐えながら背中を向けた。



その後、どうやって自分の寝室へ辿り着いたのか、佐々木はよく覚えていなかった。


佐々木は、目の前の光景を見つめた。

メイリンは気持ちよさそうに、穏やかな寝息を立てている。


メイリンは、カマール星で命を懸けて自分たちを助けてくれた。

今ではかけがえのない仲間だ。


佐々木は、もはや抵抗することを諦めた。


自分の力ではどうすることもできないこの状況も、今は感謝すべき結果だと思えた。


「…まぁ、いいか」


佐々木は、安堵したような微笑みを浮かべると、再びシーツの中に潜り込み、メイリンの横で二度寝をはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ