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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第11章:義体と裏社会

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51.鋼の礼

ルインキーパーは、カマール星の中心部に位置する、宇宙港に着陸した。

港を出ると、周囲には高層ビル群が立ち並び、人々の活気に満ちていた。


佐々木は周囲を見回し、緊張した面持ちでリベラに尋ねた。

「リベラ、ギルから聞いたのは、そのボスの名前が『ドレッドノート』ということだけなんだ。どうやって探そう…」


リベラは、無計画な佐々木に冷静に答えた。

「佐々木様。ドレッドノートに関する公開情報を調べましたが、その方に行き着く情報はありませんね。情報があつまる情報街を探してはどうでしょう。そこなら、正規ルートでは得られない、情報を持つ人物がいる可能性があります」


佐々木とリベラは、様々な露店が並ぶ裏通りへと足を踏み入れた。

その裏路地は、情報街へと続く通路になっており、雑然とした活気と異様な熱気が満ちていた。


その時、路地の壁にもたれかかるように、一人の女性が倒れているのを発見した。

彼女は比較的軽装だったが、左腕全体が滑らかな銀色の義体で置き換わっており、左胸の上部も義体装甲に覆われていた。


佐々木は訳ありっぽい彼女が気になり、視線を向けた。

「リベラ、あの人はどうしたんだろう?」


「義体化した人間のようですね。…どうやら、肩口に着けられたその部品のせいで、うごけないようです。特に左腕は完全に機能停止しています」

リベラが即座に解析する。


佐々木の顔を見て、リベラは何か引っかかるものを感じた。

彼女に近寄り、肩の拘束部品を外し、エネルギーを少し分け与えた。


佐々木は近づいて彼女に話しかけた。

「あの、大丈夫ですか?なにかお助けしましょうか?」


彼女は佐々木を見上げた。

「ハラが減った。何か…、食わせてくれ」


佐々木は彼女の返答に、少し安心したような笑顔になった。

「わかりました。そういや僕もお腹が減ったな。この辺で、どこかいい店を知ってますか?」


佐々木とリベラは、彼女に肩を貸し、近くの中華料理店に連れて行った。

店員は何ごとかと不審な顔を見せたが、佐々木がチップを払うと、笑顔で奥の個室に通してくれた。


「僕も食べるので、好きなもの、好きなだけ頼んでくださいね」

佐々木の許可に、女性は目を輝かせ、メニューを掴んだ。


「アンタ、いい男だな。じゃあ、この特製ラーメンと、牛肉の炒め物と、餃子30個と…」

店員は彼女の素早い注文を必死で聞き取った。


「あと、すみません、高品質エネルギーパックがあれば10本お願いします」

最後にリベラの注文を聞き、店員は裏に戻っていった。


注文が来るまでの間、自己紹介をした。

彼女の名前はメイリン、このあたりでなんでも屋を営んでいるらしい。


大量の料理が運び込まれると、メイリンは生身の右手だけで、猛烈な勢いで食べ始めた。

しかし、皿が半分ほど空になったところで、彼女は箸を叩きつけるように置いた。


「…食べにくいな!なぁ、ソレ、1本もらっていいか?」

そう言うと、返事も聞かずリベラが注文したエネルギーパックをひとつケースから抜き取った。


佐々木が戸惑う間もなく、メイリンは着ていたタンクトップを勢いよく脱ぎ捨てた。


露出したのは、引き締まった腹筋と、豊満で健康的な胸部。そして、その左側に光る銀色の義体装甲だった。


メイリンは左胸上部のポートにエネルギーパックを差し込んだ。


佐々木は、顔を赤らめながらも、その引き締まった体から視線を逸らすことができなかった。


パックが空になると、それまで動かなかった左手の指がピクリと動き、義体の表面に力強い光沢が戻っていくのが見えた。


「よし!」

メイリンは満足そうに空のパックを引き抜き、動くようになった左手で皿を掴み、裸のまま食べ始めた。


佐々木は緊張して、食事ができなくなっていたが、メイリンはそんな事を気にもせず残りの料理をあっという間に食べきった。


食事が一段落ついたところで、リベラが話をふった。

「ところで、なぜあんな裏路地で倒れてのですか?」


「仕事で、ある男を追っていたんだが、気を抜いた隙に拘束弾を撃ち込まれてな。アソコで動けなくなってたんだ」

あと少し放っておかれていたら冷たくなってたろうなとメイリンは笑いながら語った。


「で、女連れだがどうする?ワタシはかまわないぜ」

そう言って上半身裸のまま、佐々木に絡みつこうとするメイリンをリベラは押し返し、自分たちの悩みを伝えた。

最近皆さんからいただく評価はかなり嬉しく、書いてよかったと思えます。

またよければ見に来てくださいね。


ちょいろけ回(ちょとだけお色気回)になるよう頑張りました。

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