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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第10章:男の覚悟と伝説の要塞

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48.伝説の要塞と隠蔽戦略

宇宙船の窓から、アヴァロンの巨大な骨格を見たギルは、呆然としていた。

「おいおい、コイツはアヴァロンじゃねーか…」


ギルが昔の記憶を思い出していたその時、隣にいたリラが尋ねた。

「アンタ、コレが何なのか知っているのかい?」


ギルは我に返り、驚きを隠せないまま答えた。

「こりゃ…20年前の戦争で陥落した、あのアヴァロンにそっくりなんだ。俺は、建設初期のこんな骨組みのアヴァロンを船の窓から見たことがあるんだ。…まさか、佐々木がこんなものを作っているとはな」


ギルは興奮で顔を紅潮させ、リラを抱き寄せた。

「おい、リラ。この宇宙で有名な、伝説の要塞の形をしたカジノになるってわけだ。こいつぁ、金になるぞ!」


要塞の規模を知り、ギルはカジノ経営に俄然やる気が出た。


ルインキーパーとギルの宇宙船はアークに移動し全員で、食堂へ移動した。


「なんだよ、アークってのはしみったれた場所だな」

毒づくギルに佐々木も反論する。

「まぁ、持っていった指輪で買えた設計書が、ココと寝室と、お風呂分だけだったからね…」


「そ、そうか、たしかそうだったよな。ウン」

そういうギルの方からバシッと音が聞こえた。


「アンタ、また友達から巻き上げたのかい?ホント性根が腐ったヤツだね」

リラに悪事がまたばれ、また小さくなったギルがいた。


ギルはカジノ経営の視点で、佐々木のいうリゾート要塞の計画を説明した。

「カジノは、利用者のグレードによってエリアを細かく分け、一般人が入れるエリアから、超金持ちしか入れないVIPエリアまで、層のように細かく階層を分けるのが定石だ」


ギルは身振り手振りを交えながら続けた。

「この階層の違いを利用して、極秘裏に資源を保管する階層を作ればいい。カジノのセキュリティと階層構造の複雑さで、いくらでも資源を隠すことができるだろう。ソコまでお前が考えていたのかは分からんが、カジノを隠れ蓑にするって案は最高だ!」


ギルはカジノ経営の話から、ふと我に返って佐々木に尋ねた。

「おい、佐々木。リゾート面、つまり客を集めるための豪華な施設の方はどの程度進んでいるんだ?アークのような設備しか作れないんじゃお話にならないぞ」


その質問に佐々木は笑って答えた。

「実は、豪華客船でアテナという建築家に、施設コンサルタントを依頼したんだ。彼女に、アヴァロン内の居住空間やリゾートエリア全体の設計をお願いしているんだ」


ギルは目を丸くした。

「な、なんだと!?あのアテナか!?デザイン業界の頂点にいるような存在で、引く手あまただぞ。よくもまぁ、そんな超有名人を引っ張ってこれたな...。佐々木、お前、どうやってそんなコネを持ってるんだ?」


佐々木は頭を掻き、謙遜した。

「たまたま、船で出会っただけだよ」


その発言を信用できず、ギルはリベラの方を向いた。


リベラは、言葉を選ばず正直な感想を述べた。

「はい。佐々木様のコネクションはコールドスリープから目覚めてからのものです。ギルさんも、うすうすお気づきかと思いますが、AIの私が言うのもおかしな気がしますが、かなりの幸運の持ち主です」


佐々木との出会いを思い出し、ギルも納得した。

「たしかに、そう言われればそうかもしれないな。しかし、そんな奴が仲間かと思うと心強いな」


「佐々木!オレもカジノ案にはひとつかませてもらおう!すぐにカジノの設計図を用意する」

いつもお話を見ていただいているみなさん。ありがとうございます。

最近皆さんからいただく評価はかなり嬉しく、書いてよかったと思えます。

またよければ見に来てくださいね。

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