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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第10章:男の覚悟と伝説の要塞

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46.男のかいしょう

「ちょっと待ちな、ギル!」


鋭い声と共に、隣の部屋から一人の女性が飛び込んできた。

彼女はバットのようなモノを持った、長髪の美人で、年齢は30代に見えた。


女性はギルに向かって、強い口調で言った。

「男が惚れた女のために持っているものすべてを渡すとまで言ってるのに、その態度はなんだい?アンタにその覚悟はあるのかい?」


ギルは汗を拭いながら、声を引きつらせて反論する。

「おっ、女のお前にゃ関係ねーだろうが……」


「…そうかい、じゃぁ自分の女のためにできる、アンタの覚悟ってのも見せてもらおうか!」

女性は、手に持ったバットで素振りを始めた。


佐々木たち3人と、ギルとその部下たちが見守る中、バットは幸い誰も狙わなかった。


しかし、ギルが大事にしている、コレクション棚に直撃した。

そこには佐々木とギルが共に愛する100年前の大ヒットアニメ『ユニブレ(ユニバーサル・ブレイブ)』のフィギュアが並べられていた。


「「あああああ!ユニブレ(俺)のフィギュアがぁぁぁ!」」

ギルと佐々木は同時に悲鳴のような声を上げた。


「俺が悪かった。もうやめてくれ」

ギルが青ざめて謝る横で、佐々木も慌てて床に土下座した。

「やめてあげて下さい!ギルも反省しております。本当に申し訳ございません!」


女性は目を吊り上げ、佐々木を指差した。

「アンタはこんな友達想いの男に何をしてるんだい!」

女性はさらに1つフィギュアを壊した。


ギルと佐々木の懸命な謝罪で、もう1つフィギュアを壊したところで、女性はようやくバットを下ろした。

聞けば、彼女はギルの妻だという。彼女の名はリラ。


リラはギルに向かって、低い声で説明を始めた。

「私も持ってるヤツから絞り取ろうってアンタの考えに賛成だったよ。だが、アンタは言ってたよね。もしアイツがすべてを手放すとまで言ったら、タダで願いを聞いてやるって」


佐々木は、自分が意図せずギルの甲斐性試しの勝負に勝っていたことを知った。


結果、佐々木の要求をタダで聞くことになり、一方的に大損することになったギルは、力なく項垂れた。


そんなギルを見て、佐々木は一計を案じた。

「ギル、一つ提案があるんだ。」


「なんだよ、今さら……」

ギルはうんざりした様子で答えた。


「カジノとか興味ある?」

ギルは鼻を鳴らして答えた。

「ふん。ギャンブルなんかに興味はねーよ。オレはいつだって金儲けが好きなんだ」


「うん。ギャンブルのほうじゃなくて、カジノ経営の方なんだけど。実は今、宇宙要塞を作っているんだけど、その中でカジノを経営したいと思ってたんだ」


ギルは先ほどとは打って変わった表情で身を乗り出した。

「金儲けの匂いがするな。その話もっと詳しく聞かせろ」

いつもお話を見ていただいているみなさん。ありがとうございます。

最近皆さんからいただく、評価のうれしさがわかってきました。

またよければ見に来てくださいね。

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