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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第9章:アヴァロンの新戦略

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41.作業開始のち中断

8章のあらすじ

登場人物:佐々木啓介(30歳、男性)、リベラ(船のAI、女性)、セレネ(エンジニア、28歳、女性)、アテナ(豪華客船の建築師、32歳、女性)

セレネの加入と同時に、旧アヴァロンのシールドバリアの可能性を探りつつ、本格的に建設が始まる。リベラは専門家たちにアンドロイド助手を配置し、セレネは簡易エネルギー炉を構築して電力基盤を確立した。主炉設計前の調査として、佐々木たちは豪華クルーズへ。そこで、豪華客船の建築師アテナと出会い、アヴァロンの快適空間設計のためにスカウト。アテナは完成後の永住を条件に参画し、チームが完成した。夜、佐々木の不安をセレネが「ずっと一緒にいたい」という愛の言葉で解消する。

アヴァロン計画は、リベラのマネジメント、アードの設計、リーナのロボットシステムにより本格的な建設段階に入った。


リーナが制作したロボット構築ロボット(RCR)は、RCRの製造を優先させた。

1日に1台のRCRが1台のRCRを作れたため、毎日RCRの数は倍々に増えた。


しかし、RCR製作中の数日間は建築作業用ロボット(AR)が一切製造されなかったため、作業は実質的に停滞していた。


RCR製造が8日を迎え、RCRは256台となった。

翌日からRCRは、AR製造へ切り替わった。


その翌日から、建設エリアには256台のARが投入された。

翌日以降も毎日256台のRCRが256台のARを製造し続けた。


結果、1日の作業工数は加算的に増加した。

アークの無尽蔵な資源がこの常識外れのARの現場投入を支えていた。


このARの急増でアヴァロンの骨格作りが加速した。

まず、全長80キロメートルに及ぶ中心軸が完成した。


現在はAR群は、約250キロメートルに及ぶ赤道円の構築に取り掛かっている。


リベラはブリッジでグラフを見ていた。

ARの作業量を示す棒グラフが直線的に積み上がるのに対し、消化された作業工数を示す折れ線グラフは、ARの累積総作業量を示すため、驚くほど急な角度で上昇していた。


ベテランのアードにしても、こんなでたらめなスピードで建築が進む現場ははじめての経験だった。


しかし、細かく見ていくと進捗は偏っていた。


ARによる骨格構築は驚異的だったが、新たな制約が表面化しだした。


天然資源を板材や棒材などの建設資材に変えるナノマシンの加工能力が要求に追いつかず、さらに初期の簡易エネルギー炉の電力も大規模工事には不足し始めていた。

また、リリィの高出力レーザー、セレネのエネルギー炉、アテナの生活空間の構築などの高度な設計部分は、いまだ着工には至っていなかった。


このボトルネック解消のため、リベラは佐々木、アード、リーナをブリッジに集めた。


「資材加工と電力供給が飽和し、新たなボトルネックになっています。一時的な中断が必要です。」


リベラは続けた。

「つきましては、アードさんとリーナさんには一週間の休暇を取っていただき、その間に問題を解消しておきます。」


リベラはさらに解決策を提示した。

「私はナノマシンの培養に集中し、加工能力を最低でも三倍に増強します。また、現在のARに簡易エネルギー炉の増設をお願いしておきます。他のクルーには今まで通り設計と製作を続けてもらいます。」


最後に佐々木は伝えた。

「お二人には、僕が以前体験した豪華客船での旅をプレゼントします。ぜひ豪華船の旅を楽しんできて下さい」


こうして、要塞建設の一部は中断に入った。


佐々木がリーナとアードを見送っていた頃、ギルからリベラへ緊急通信が届いていた。

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