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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第3章:新たな旅の始まり

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15.感謝と新たな旅立ち

契約を終えた佐々木とリベラは、ギルに別れを告げ、宇宙港のルインキーパーへと戻り、この星を後にした。


船内で、佐々木はリベラに語りかけた。

「リベラ、ありがとう。君のおかげで、最高の取引ができた」

佐々木は安堵したように息をつく。


「お役に立てて光栄です、佐々木様」

しかし、リベラの声はどこか冷静だった。


「佐々木様、一つだけお伝えしておきたいことがあります」


「どうしたんだ、リベラ?」


「ギルさんは佐々木様の友人ですが、彼の目的はあくまで利益の追求です。今回の取引は佐々木様にとって有利に運びましたが、それは偶然です。彼の言葉や行動を鵜呑みにせず、決して信用しすぎないでください」


リベラはいつも冷静に状況を分析している。


「わかった、気を付けるよ」

佐々木は心から反省をした。


「ただ、今回禍根を残さないために一つだけお願いがあるんだ」

佐々木はそう言うと、あるものの製作をリベラに依頼した。


アークに到着後、リベラは佐々木の願い通り、ナノマシンに自動調理器、ベッドルーム、バスルームの製作を依頼した。


船内各所では、まばゆい光を放ちながらナノマシンが、作業を進めている。


続いて、ギルが望んでいた素材をルインキーパーの貨物室に積み込んだ。


積み込みが終わると、2人は再びギルのいる惑星へと航路を戻した。


佐々木が到着時刻の連絡を入れると、予定の時刻にギルの部下が素材を受け取るため宇宙港にやってきた。


すべての素材を積み降ろした後、佐々木は1枚のチップを渡された。

リベラはその場で中身を確認し、想定の設計図の受取は完了した。


「すみません。ギルへ、これを渡してください」

佐々木は小さな小箱をギルの部下に託した。


ギルは部下から渡された小箱を怪訝な表情で受け取った。

「佐々木さんから商会長へ渡すよう依頼を受けました。爆発物等のものではありませんでした」


ギルが箱を開けると、2体のフィギュアが入っていた。


それは、あのアニメの最終回、主人公とライバルが和解し、互いに腕を組むあの名シーンを再現したものだった。


非常に精巧なそのフィギュアを見てギルは唸った。


それは佐々木の数少ない趣味の一つである、自作フィギュアだった。

その完成度は高く、金では買えない価値がある事をギルは自覚した。


ギルはフィギュアを手に取ると、込み上げてくる笑みを抑えきれない。

「あいつめ」


ギルはそう呟き、宇宙港の方角を静かに見つめていた。

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