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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第25章:楽園に灯る小さな光

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144.小さな密航者?

24章のあらすじ

登場人物:リベラ(AI、女性)、ガルド(元造船所社長、53、男性)、アテネ(32歳、豪華客船の建築師、女性)、ミラ(ガルドの娘、21、女性)、メイリン(29歳、女性)、宇宙商人・ギル(130歳、男性)、ドレッドノート(40歳、男性)

アヴァロンから追放されたガルドたちは、裏切り者の存在に気づきつつも、セレノグラフィアで再起を誓う。そこへ、ネクサス・システムズの筆頭株主へと成り上がったギルとリベラが現れ、豪華客船建造の共同プロジェクトを提案。最新設備と潤沢な資材を得たガルドは、プロジェクトリーダーとして再始動した。一方、自らを悲劇の英雄に仕立て再戦を企てたボレアス社のバトラー総司令官に対し、リベラは裏工作の証拠動画を拡散し、その社会的地位と企業の信頼を完全に失墜させる。混乱のなか、父のサポート役に徹してきた娘のミラは、メイリンの言葉に背中を押されて自立を決意。父に手紙を残し、リベラたちと共にアヴァロンへと旅立った。

アヴァロンの佐々木の私室。


広々としたベッドで、今日は佐々木が1人で眠っていた。


アヴァロンでの生活が始まって、常に誰かが傍らにいた佐々木にとって、ひとりで眠りにつくのは久しぶりだった。


今日は偶然にも、女性陣の予定が重なっていた。

セレネは先の戦闘で負荷がかかったエネルギー炉の修理と改修のため施設につきっきり。

ノアとクレアの2人は、今回の対策を含め、今後のカジノ運営の指針について熱い議論を交わしていた。

いつもなら真っ先に潜り込んでくるメイリンやリベラも、セレノグラフィアから、まだ戻っていない。


「…はぁ、さみしぃ」


静まり返った部屋で、佐々木は寝言をポツリとつぶやいた。



数時間後。


佐々木は、自分の胸の上に微かな重みを感じて目を覚ました。

「ん……?」


暗がりの中、視線を落とすと、胸の上には3歳ぐらいの小さな男の子が乗っかって、すやすやと眠っていた。


一瞬、誰だろうと思ったが、寝ぼけていたのでコレは夢だと思った。


むしろ、子供の絶妙な重さと体温が心地よく、佐々木は再び目を閉じた。



ようやく会議を終えたノアとクレアは、真剣な顔でじゃんけんをした。


「…それじゃあクレア、おやすみ!」

勝利を収めたノアは、浮足立った様子で佐々木の部屋へと向かった。


「佐々木さーん。さみしかった? ごめー……」

甘えた声で入室したノアだったが、ベッドの光景を見て言葉を失った。


佐々木の胸の上で、見知らぬ男の子が眠っている。


だれ?

ノアが混乱していると、男の子がもぞもぞと動き出した。


男の子は眠たそうに目をこすりながら起き上がると、目の前にいるノアと目が合い、ニコリと天使のような笑みを浮かべた。


「 か、かわいー!」

その愛くるしさに一瞬で心を射抜かれたノアは、吸い寄せられるように手を広げ、佐々木の胸元から男の子を抱き上げた。


男の子は嫌がる素振りも見せず、自然にノアの腕に収まった。


「ん、そうそう。その子、だれ?」


耳元の騒がしさで目を覚ました佐々木が、身を起こしながら尋ねた。


「えっ、佐々木さんも知らないんですか!? 私はてっきり…」

ノアも困惑した顔で男の子を見つめ返す。


「おなかへったー」

男の子が無邪気に声を上げたため、正体探しを後回しにして、3人は食堂へ向かうことにした。


食堂へ入ると、そこにはアードとリーナの姿があった。


アードは先日、佐々木にガルドの部下たちを追い出すよう強要した事を機にしており、あらためて謝罪しようと待ち構えていた。


しかし、ノアに抱っこされた男の子と目が合うなり絶句した。


「じいじ!」

男の子がアードを指さしてそう呼んだ瞬間、幼い頃のリーナの姿がフラッシュバックした。

「おお、じいじだよ!」


厳格な老設計士の顔が見る影もなく崩れ、目尻が下がりきる。


騒ぎを聞きつけたリーナが寄ってきて、ジロリと佐々木を見た。

「誰よその子? 佐々木さんの隠し子?」


「ええ!? やっぱりそうなの!?」

リーナの発言に、ノアが再び驚愕する。


「いや、ちがいますよ。僕もさっき起きたら僕の胸の上にいたんですから」


佐々木が苦笑しながら否定すると、アードがとろけそうな笑顔で手を差し出した。

「まぁ、そんな細かいことはいいではないか。ほら、こちらへおいで」


アードがノアから男の子を受け取ると、男の子は再びニコッと満面の笑みを振りまいた。


その場にいた全員の頬が、抗いようもなく緩んでいった。

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