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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第24章:セレノグラフィア変革

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139.守銭奴と非常識

23章のあらすじ

登場人物:佐々木(30歳、男性)、リベラ(AI、女性)、ガルド(元造船所社長、53、男性)、ミラ(ガルドの娘、21、女性)

佐々木たちの帰還途上のタイミングを狙い、アヴァロンはボレアス・ダイナミクス私設軍の襲撃を受ける。主砲損壊で窮地に陥るが、リベラは特攻船で敵艦隊を殲滅。敗走する敵を追跡し小惑星拠点を破壊、徹底的な無力化で屈服させた。帰還後、アードが過去のスパイによる悲劇を語り、甘さを捨てるよう佐々木に迫る。佐々木は苦渋の末、ガルド率いる技術者全員の追放を断行。ガルドは部下の不始末を詫び、無念と共にセレノグラフィアへ去った。リベラは内通者を監視下に置きつつ、メイリンを連れオフィス街で待つ謎の協力者との密談へと向かう。

ネオンがひしめき合うセレノグラフィアのオフィス街。

その一等地の高層ビルの最上階に、リベラとメイリンは足を踏み入れた。


受付を無言で通り過ぎ、厳重なセキュリティゲートをいくつも抜けた先にある特別応接室。

そこでソファに深く腰掛け、窓の外を見下ろしていたのはギルだった。


ギルは、佐々木から託された莫大な資源を元手に、市場のパニックに乗じて低迷していた『ネクサス・システムズの株』を買い占め、今やセレノグラフィアの経済を揺るがす、ネクサス・システムズの筆頭株主へと成り上がっていた。


その鮮やかな手腕は、彼が単なる『商売人』ではないことを証明していた。


「ようやく来たか、リベラ。実はお前たちに一つ確認したいことがあってな」

ギルはリベラたちの姿を認めると、モニターに集めた情報を表示した。


モニターにはココ数日のセレノグラフィアを騒がせているニュース映像が流れている。


この街の3大企業の一角であるボレアス・ダイナミクス社の私設宇宙軍が、何者かの卑怯な攻撃を受け、壊滅的な被害を被ったという報道が映し出されていた。


ニュースのキャスターは、正体不明の侵略者による無慈悲な暴挙だと報じ、世論を「共通の敵」への怒りに向かわせようとしていた。


ギルはニヤニヤと笑いながら話しだした。

「ボレアスの連中は、今や悲劇のヒーロー気取りだ。軍備を再編し、近隣企業からも支援を取り付けて、再戦の準備を進めているらしい。主導しているのは、あの私設軍の総司令官だったバトラーだ。世論を味方につけて、次は総力戦で挑むつもりのようだ」


そう説明した後、ギルはリベラに向き直った。

「ちなみに、コレはお前たちの仕業か?」


ギルの問いに、リベラは表情一つ変えずに答えた。

「はい。アヴァロンの主砲と特攻船で敵艦隊を殲滅しました。さらに、彼らが使用していた小惑星拠点を徹底的に破壊。再起不能なまでに屈服させたつもりでしたが、どうやらまだまだ甘かったようですね」


リベラの淡々とした報告を聞き、ギルは眉をひそめる。

「相変わらずお前は無茶苦茶だな。だが、コイツは執念深い男だ。今度は『正義』を盾にして、お前たちを『宇宙海賊』に仕立て上げるつもりだぞ。そうなれば、アヴァロンのカジノ経営も台無しだ。俺の評判に泥を塗るような真似は許さんぞ。どうする気だ?」


ギルの懸念に対し、リベラは淡々と、しかし確信に満ちた口調で応じた。

「問題ありません。相手が自らを『正義』と呼ぶのであれば、その前提を崩すまでです。こちらの動画をご覧ください」


リベラがギルの端末へ動画データを転送した。



動画を見終えたギルは、唇を歪めてニヤリと笑った。

「こりゃあ面白い。このデータ、うまく使えばボレアス・ダイナミクス社も手に入れられるな」


そう言って、ギルは目をつむり、深く思考しだした。

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