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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第22章:星々の道標と新たな絆

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129.初対面の記憶

リリィとセレネ同様、リーナも自宅に帰るためにホテルを離れた。


残された佐々木、メイリン、ミラの3人は、今夜はホテルの部屋で夕食を取ることにした。

3人のために、リベラが給仕役をかって出てくれた。


リベラが手際よくテーブルに料理を並べ、和やかな夕食が始まった。


ふと、メイリンがワイングラスを傾けながら、話題を切り出した。

「そういえば、以前聞いたんだけど。このチームに一番最初に参加したのってリリィなんでしょ? どんな出会いだったの?」


その問いに、ミラが驚いた顔をした。

「え、そうだったんですか?」


2人の期待に満ちた視線を受け、佐々木は少し困ったようにリベラを見た。

「出会いというか、最初は救難信号をキャッチした事かな」


リベラが滑らかな手つきで給仕を続けながら、当時の状況を説明し始めた。

「まだアヴァロンを作る前、佐々木様が『アーク』で生活していた頃の事です。私が救難信号をキャッチし、佐々木様にご相談した所、助けに行く事になり、遭難場所へ向かいました」


メイリンが懐かしそうに目を細めた。

「ああ、アークね。初めて見た時は、巨大な鉄の廃墟かと思ったわ」


リベラは静かに語りを続ける。

「当時の佐々木様は、まさに眠りにつく直前でした。佐々木様は私と共にルインキーパーで救助に向かい、リリィさんの船をアークまで牽引しましたが、そこで佐々木様は限界を迎えられ、先に自室のベッドへと戻られました」


「ようやく眠れると思った矢先の救難信号だったんだ」

佐々木がぼやくように補足すると、リベラは頷いた。


「私はリリィさんに、冷え切った体を温めるため浴場へ向かうよう勧めました。しかし、その後、リリィさんが浴場から出てこないので見に行くと、湯船で寝入っていました。私はリリィさんを放っておけず、ベッドへ運びました」


メイリンがワイングラスを置く手が止まった。


「ちょっと待って」


リベラの言葉を反芻するように、メイリンはじっとリベラを見つめる。

「リベラ、今『ベッドへ運んだ』って言ったわね?それ、誰のベッド」


「佐々木様のベッドです。当時はアークには居住区が完成したばかりで、佐々木様のベッドしかありませんでした」

リベラは当然のことのように答えた。


「さらに聞くけど。お風呂で寝てたリリィをベッドに運んだってことは。服は?」


リベラは淡々と付け加えた。

「遭難中のリリィさんに着替えの準備はありませんでした。ですので、そのままの状態でお運びしました。ちなみに翌朝が、お二人の記念すべき初対面でした」


「えええええーっ!!?!」

ミラが顔を真っ赤にして叫び、メイリンは大爆笑した。


「やっぱり! リリィと旅行した時、真っ赤になって『アレは未遂です!』って言い張ってたのは、そういう事ね。おおかた全裸で寝てるリリィに佐々木が寝ぼけて抱きついたって所じゃない?」


「⋯リベラだと思ったんだ」

勘のいいメイリンに言い当てられ、佐々木は耳まで赤くしていた。


「なるほど。この事か!」

ミラも、以前、3人でカフェに入った際、リリィが顔を真っ赤にして「裸で佐々木さんのベッドに寝かされた」と告白していたのを思い出していた。


夕食のテーブルには、不思議な縁を慈しむような、穏やかな話が続いていた。

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