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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、孤独な億万長者~  作者: まいぷろ
第22章:星々の道標と新たな絆

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125.技術革新を生む曲線

ウェイクボードを存分に楽しんだメイリンたちがホテルの部屋へ戻ると、そこには異様な光景が広がっていた。


ベッドの周囲には無数の設計図のホログラフが浮かび、その中心でセレネが燃え尽きたようにうつ伏せで倒れていたのだ。


遅れて佐々木が部屋に入ってくるなり、セレネは弾かれたように飛び起きて彼に抱きついた。


まるで無接点方式の充電器が電力を吸い上げるように、佐々木の体温から何かをチャージしようとしている。

「どうしたの、セレネ。何かあった?」


佐々木が優しく問いかけると、セレネは顔を埋めたまま声を漏らした。

「…煮詰まっちゃった。エネルギー炉の出力は十分なんだけど、どうしても収束が不安定なの。どうすればいいか分からなくて」


佐々木たちが解決策を持っているとは思っていなかったが、今の彼女は誰かに弱音を吐き出さずにはいられなかった。


そんなセレネの肩を、メイリンが優しく叩く。

「そんなに詰め込まないでさ。時間はたっぷりあるんだし、明日は一緒に海にでも行って気分転換しようよ」


「そうね…ありがとう」

セレネは弱々しく微笑んだ。


「そうだ、これ見てよ!」

湿っぽい空気を吹き飛ばすように、メイリンが突然服を脱ぎ捨てた。


今日購入したばかりの、布地面積が極端に少ない衣装をセレネにと見せつけた。


「なっ、なにそれ?」


驚きつつも、その過激な衣装にセレネの目が見開かれた。

「リベラから聞いたんだけど、コレって佐々木の好みの下着なんだ」


「ちょっ、またそれを言うの?」


焦る佐々木をよそに、セレネは楽しそうに笑い出した。

「ふふっ、なんだか元気が出てきたかも。私、みんなと一緒にいられて、毎日が本当に楽しくて、今、すごく幸せ⋯」


そう言った直後、セレネの動きがピタリと止まった。


その視線は、メイリンの鍛え抜かれたメリハリのある体に釘付けになっている。


「ん?セレネ⋯」


佐々木のもとを離れ、セレネは無言でメイリンに詰め寄った。


そして、メイリンの肩から腰、腰のくびれ、再び広がる滑らかな曲線に、熱に浮かされたように触れ始めた。


「ちょっ、セレネっ、ん、どこ触って……っ」


熱心にラインを確認しようと指を滑らせるセレネの手つきに、メイリンは思わず色っぽい声を漏らしてしまう。


だが、セレネにはメイリンの羞恥など目に入っていなかった。

「このライン……この滑らかな誘導……そうか、コレだわ!」


メイリンの肉体が描く黄金比とも言える曲線が、セレネの脳内でエネルギーを効果的に収束させる構造として完璧に結びついた。


「メイリン、あなた最高よ!」

セレネはメイリンに抱きつき、続いて放り出していたタブレットを掴み、風のように部屋を飛び出していった。


「問題が解決したようですね」

リベラが淡々と告げた。


数年後、セレネが構築したエネルギー炉は、かつてないほどのエネルギー集約を実現し、凄まじい高出力を誇るレーザー砲として結実することになる。


セレネ博士が設計したにもかかわらず、その革新的な集約構造にはなぜか「メイリン・カーブ」という名が冠された。


後世の技術者たちは「なぜこの名がついたのか」と頭を悩ませることになるが、その真実を知るのは、あの時あの部屋にいた者たちだけだった。

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