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ティッシュ食べ比べ

作者: まい

 今回は、理解出来る方だけついてきて下さい。


 それだけちょっと、今回はアレです。




 あ、「」の無い方が実況者。

 「」が有る方がイベント参加者です。

 はい。


 なんと、ついに始まってしまいました人知の新狂地(しんきょうち)、ティッシュの食べ比べしての()きティッシュです!



 これは昔から世界の片隅で行われてきた、狂気の沙汰。


 シャンプーを飲んでグルメするグルシャンと並ぶ、人体に有害だから真似しないで下さいの一角(いっかく)


 どちらも偶然(ぐうぜん)口に入ってしまう事が有るので、誰もが目覚めかねない危険な扉。


 それのティッシュの(ほう)を開けてしまった(かた)が、今回登場します!




「どうも。 紹介に預かりましたティッシュでグルメする、自称『ティグル』です」


 ティグルですね、分かりました。 では今回はティグルさんに、むき出しで皿に置かれたティッシュを食べて頂いて、どこの会社のティッシュなのかを当てて頂きます。


「問題ありません」


 おおっと? この口数の少なさは自信の表れでしょうか?


 (から)元気みたいな強がりを感じられません。 これは本当に全部当ててきそうな気がするぞ?


「待ちきれません。 さっそく行きましょう」


 ティグルさんから、覇気すら感じられます!


 これは本当に全部当ててしまうかも知れません!





 はい。 アシスタントに持ってきてもらいましたが、全部で6皿。


 それぞれの皿に、2枚1組の……つまんで出した……あ〜。 便宜(べんぎ)(じょう)1枚とします。 1枚だけ皿に乗せました。


 つまり6種類用意しておりまして、それでティグルさんにはどの会社のどの商品かを当てて頂きます。


「少ないですね。 20や30は集めていると思っていましたよ」


 は? そんなに有るんですか? ……アシスタントさん、ちょっと検索して。


 …………………ああ、30どころか、もっと有る? うわ、マジかよ。



 っとと、すみません!


 今回は観客にも分かるように、近所のドラッグストアで買えた物を持ってきました。


 それで…………ティグルさん? なんでアイマスクを?


「予想通りだったので、セルフ縛りです。 真のティグルなら、見た目や待った感触でも商品の特定が出来る商品がありますので、それではつまらないだろうと」


 そ……そうなんですか?


 いやー、ティグルの道は深いんですね。


「なってみますか? ティグルに」


 いいえ、私は遠慮しておきます。


「そうですか、残念です。 ですがもし、興味が湧きましたら連絡して下さい。 美味しいティッシュを紹介しますので」


 そうですね、もしがあったら。 ……さあ! では準備が整いましたので、ティグルさんには利きティッシュをして頂きます!



 まずは1枚目のAの皿です!


 ティグルさんはアイマスクをされていますので、私がティグルさんの口へティッシュを放り込みます。


 それで観客の皆さんには、ティグルさんが利きティッシュをしている間に、観客の皆さんにだけ見えるように正解をお見せします。


 ………………。


「…………………」


 ティッシュを噛む前に何を……。


「香りを楽しんでいます。 香りでも分かることが有りますから」


 うわ……それから、しっかり噛んで。


 ………………飲み込みました。


「これは、薬品の香りが少ししますね。 それと柔らかく歯ごたえが無くて早めにほぐれる。 苦味が強く、薬品の香りが混ざってやってくる陶酔(とうすい)感。 ……分かりました」


 そうですか。 では答えをどうぞ。



「◯◯製紙の、記号的な花柄が特徴の箱の◯◯◯ですね」


 正解!! …………いやー、なんで本当に当てられるんでしょうかね?


「普段からティッシュを数多く食べていますので」


 そりゃあ……良かったですね。


「ええ。 愛の()せる(わざ)です」



 …………では、次に行きましょうか。


 これですが、どうでしょうか?


「……ん。 口に入っただけで分かりますね。 これは△△の△△△△△です」


 うわぁ……なんで分かるんですか?


「簡単です。 口寂しくて何かを噛み噛みモグモグしたい時に、これを良く噛んでいますから」


 ガムとかグミとかではダメなんですかね?


「いやー、これは無味無臭で、程好(ほどよ)く噛んでいられるんですよ」


 …………あー、分かりませんが、分かりました。 次行きましょう、次。


 今度は3皿目です。


「……………………ああ、これは良いですね。 かすかな甘さの中に潜む、ほんのり見える苦味。 そしてこの食べるのに丁度いい食感。 噛んだら応えてくれるしっかりさと、ふんわり感」


 ティッシュを食べているのに、この言い方。


 もう分かったみたいなので、答えをどうぞ。


「□□製紙の□□□□□ですね」


 …………正解です。 ホント、なんでこう正解出来るのか。


「愛です」



 では次です。 4枚目のこれはどうでしょうかね。


「…………。 うん。 ………………はいはいはい。」


 なんだか何度も頭を上下させていますが、どうしたのでしょうか。


「これは△△の△△△△△……の素材や生産ラインを使ったドラッグストアの♨♨が独自販売しているプライベートブランド品です」


 ………………いや。 いや、正解なんですが、なんで製造元まで分かるんですか? こちらが用意した答えは、♨♨のプライベートブランド商品ってだけなんですが。


△△(社名)△△△△△(商品名)らしさがありますが、△△△△△よりは紙の繊維が粗いんですよ。 なので比較すると食感が雑で。 まあだからこそ、気が立っていて乱暴にティッシュを噛みたい時に、これが大変ありがたくて」


 そうですか。 もうまったく理解できません。




 これで5皿目です。


 これは難しいかも知れませんよ。 ……どうですか?


「……………………。 うん。 味も食感も◯◯製紙の◯◯◯に極めて似ていますが、紙がほぐれやすいと言うか、破れやすいです。 その事から、◯◯◯シリーズのポケットティッシュではないでしょうか?」


 ……はい。 正解です。 なんでこれが分かるのか、(まった)く分かりません。


 少し破れやすいってなに? 本当に意味が分かりません。


「どうしてかを語りましょうか?」


 いいえ、ご遠慮願います。


「そうですか……」




 では、これで最後となります。


 コレは今までのティッシュとは全く違う物で、難しいかも知れません。


「言いますね」


 言いますよ。 これは今までのティッシュを過去にしたとても良い物ですので、そうそう分からないだろうスタッフ一同が自負しています。


「それほどの物なのですね」


 はい。 ではこのティッシュがどこの商品なのか、どうぞ当ててみて下さい。


「では、早速」


 はい。 (くち)へグイッと。


「あ、やっぱりコレか。 鼻%%%美味しい! 鼻%%%美味しい!」


 !? 正解!


 なんで即答出来たんですか!?


 これはかなり特別で難しいはずですが!


「コレはまずしっとりした紙を実現するために丈夫な紙を使用しますから、どっしりした歯ごたえが楽しめます」


 いや、歯ごたえはもう良いんで。


「そうですか? それで肝心の味は、紙の(うるお)いの維持に保湿成分を使うんですよ。 実はその成分が甘味料としても使われる物でして、口にすると独特の甘さが舌に広がるのです」


 へえ、甘いんですか。


「はい。 しかも無臭なので味を下手に邪魔しないのだから、つい噛み噛みしてしまいます。 本当に甘くて美味しいんですよ、コレ」


 いや、だからって食べたくないです。


「そんな、勿体(もったい)ない。 これを天ぷらや唐揚げにすると、それもまた満足感が――――」


 ――――あーー! あーー! もう良い! もう良いです!!


 ティグルさんは、こちらの用意したティッシュを全て当てることが出来ました!!


 拍手ーー!!


 って事で今回の余興、利きティッシュは終了させて頂きます!!


 皆様、最期までお付き合い頂きありがとうございましたー!!!


「あれ? あー、ありがとうございました?」


 ハイ終了、ハイ解散!!

※ 今回のネタに出てくる、伏せられた会社名も商品名も、全て架空のものです。 現実とは一切、ホント一切関係はございません。

  なので、作者がティッシュを食べていると言う事は絶対にございません。 事実無根です。

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― 新着の感想 ―
何故だろう、何となく想像できるのは…… 花粉時期や風邪の時に、お高いティッシュは保湿成分があるから確かに甘いですよね。 それとポケットティッシュは確かに破れやすい! それと苦みがあるのは、やっすい~の…
ティッシュは不味かった・・・。(遠い目)
今までにない新しい感覚が生まれてしまう作品でした。 ティッシュのソムリエとは、何がきっかけでそんなストーリーが生まれたのか、境界線を越えた方にしか分からない世界ですね。 ティッシュを調理するという思い…
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