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鬼の呪い

作者: 草ふぐ

 昔ある山に、1匹の鬼が暮らしていました。

その鬼の皮膚は赤く、キバをはやし、毛むくじゃらな大きな体をしていました。


 鬼は村人と仲良くなりたかった。


 イノシシやクマを退治すると、その獲物を持って山からおりてくるのですが、その姿を見た村人は怖がり、家に逃げてしまいます。


 何もしていないのに、石を投げられてしまうので、鬼は山に逃げ帰ります。


 そんなことが数年続き、鬼は村人と仲良くなりたい気持ちより、心を開いてくれない人間を怨むようになってしまいました。




 ある日、鬼はふもとの村の村長の家まで押しかけました。


「おで、お前たちと仲良くしたいだけなのに、おでをいじめる。おで怒った。この村で一番偉い村長を呪うだ」


 呪われてしまったら大変だと思った村長は、こう言いました。


「お前が本当に呪える力があるのか試してみようじゃないか。毎年大雨で川の橋が流されてしまう。人間では作れない、大雨でも流されない橋を鬼のお前が作ること出来るか?」


「そんなの、おで簡単に出来る」


 鬼は翌朝までに頑丈な橋を川にかけてしまった。




 次の日も、鬼はふもとの村の村長の家まで押しかけました。


「おで、橋かけた。おで、村長を呪うだ」


 呪われてしまったら大変だと思った村長は、こう言いました。


「もう一度、お前が本当に呪える力があるのか試してみようじゃないか。大雨で荒れた田畑を耕すことは人間では何日もかかる。鬼でも一晩で耕すことなど出来ないだろう」


「そんなの、おで簡単に出来る」


 鬼は翌朝までに村の荒れた田畑を耕してしまった。




 次の日も、鬼はふもとの村の村長の家まで押しかけました。


「おで、耕した。おで、今日こそ村長を呪うだ」


 呪われてしまったら大変だと思った村長は、こう言いました。


「最後に、お前が本当に呪える力があるのか試してみようじゃないか。大雨でも、川がはんらんしないように、岩を積み上げることは、流石の鬼でも一晩で出来ないだろう」


「そんなの、おで頑張れば出来る」


 鬼は翌朝までに、川の土手に綺麗に岩を積み重ねてしまった。




 次の日も、鬼はふもとの村の村長の家まで押しかけました。


「おで、岩積み上げた。おで、今日こそ村長を呪うだ」


 村長は、こう言いました。


「お前の後ろを見ても考えが変わらないなら、私を呪いなさい」




 鬼が後ろを見ると、村民が膝をついて口々にこう言って手を合わせていた。


「「神様ありがとうございます」」


 鬼はたった3日で、長年この村を苦しめていた川のはんらんを解決してしまった。


「おで、呪うのやめた。人間と仲良くしたい」




 それからは、鬼が山からイノシシやクマを持っておりてくると、村人が囲んで宴が開かれるようになったとさ。


 おしまい。

初めて童謡を書いてみました。


誤字報告ありがとうございます。修正させて頂きました。

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