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和やかに解く

 寮の使用人から預かった郵便物にペーパーナイフを添えて盆にのせて渡し、紅茶を配して他の業務に移ろうとしたところで呼び止められた。

 これは君宛だ、と。

 未だ一見して文字と処理することができない奇怪な文様は流麗にアルハ・アルザの名を記しているらしい。そして、その差出人として記されている名は…。


__いや、今のは聞かなかったことにしてくれ。

 先日、苦渋に満ちた表情でプロポーズをされるという後遺症レベルのショッキング体験をして、さらに狼狽えたこちらが返答するより前に撤回されるという惨い仕打ちを受けた。数日経過した現在、某公爵令嬢命名陰険根暗ババアの乙女心をこれでもかと痛めつけた公爵令息殿はいたって変わりなく過ごされている。

 意図も何も把握できないままとりあえず非道なボンボンボーイに倣ってなにもなかったという体の態度をとってはいるが疑問は尽きない。しかし、あんな顔であんなことを告げられる真相に得られるものなどないだろう。むしろさらに色々毟られて抉られる気しかしないので忘れるに限る。

 人間早々思考を切り替えられるものではなく、時折心中で唸ってしまいその有様すら観察されているような気もする。正直あの非日常の所為で以降の毎日が非常にやり辛いのだ。


「開けるぞ。…茶会の誘いだな。行ってくるか?」


 なので、初めて手元に届いた手紙がたとえノルウェット・ローズからであったとしても、それが胡散臭い一対一の茶会の誘いだとしても、アルハはとにかくわずかな一時でもライオットから距離をとることを選んだ。


「来たわね。どうぞ座っていいわよ」


 是と日時を問う返信をしたためている間に公爵家から使いが来てあれよあれよと連れられたのは王城の一角。見目好く整えられた庭園の東屋で、すでに茶も菓子も嗜んでいるノルウェット・ローズの言葉に従ってアルハは対面に腰を下ろす。行儀悪く頬杖をついて侍女姿のアルハを嘲るように見やり、勝ち誇ったように一笑するもその目元はやや落ち窪んでいた。


「ってかよく来たわね。一人で。バカなの?警戒心の欠片もないわね」


 誘い出したくせになんだその態度はと怒るより呆れてしまう。美少女めいた直毛さらさらピンクブロンドも華奢な肢体も魅力を発することなく、アルハの目に映るノルウェット・ローズは偏にただの小娘だ。

 肩の落ちたアルハの前にそっと置かれた紅茶。その放つ香りの心地よさと温かさと柔和な声によって、ささくれた気分はゆるりと浮上した。


「ノル、喧嘩腰でどうする。そもそもライオットがアルザ嬢を一人で寄越すわけがないだろう。影の五、六人はつけているはずだよ」

「ウィル、粗茶でいいのにもったいない!」

「粗茶なんて私の手元にはないって」


 突然の第二王子の出現にアルハは硬直した。王子様がお茶を、一対一じゃなくないか、声甘っ、ひいいイケメンが近い、などという心中の悲鳴は察されることなく学生夫妻のやりとりは続く。その様子は、温和なお兄さんが気難しい猫を掌で転がしあやしているといった風で、若き学生公爵夫妻は仲睦まじそうでなによりですねとアルハは焦点をぼかして空気に徹した。


「それよりもあんたよ!なにちゃっかり魔王に侍って護られてるの!もう!もう!何もかもがめちゃくちゃなんだから!」


 若夫婦の惚気の捌け口に呼び出されたのかと思ったが、どうやらアルハに対し物申すことはあったらしい。癇癪を起して暴れるノルウェットを愛でるように見守るウィルオストの黒い瞳が細めく。

 魔王とは誰かと問うたアルハにノルウェットは吠えた。


「ライオット・ライオネルよ!魔王よ奴は!奴にとっての世界はね、浄化と治癒の異能でお綺麗に輝いて見えるお気楽第一王子オルガイアだけ。それ以外の全ては悪しき穢れだと思ってるのよ!巡礼の浄化でオルガイアが倒れると悪に堕ちてすべてを破壊しようとするかんね!

 攻略蹴って友情ルートで最多PT組んだうえに巡礼サブクエ全クリして道草食いまくってLVパラ上げ完遂してないと倒せないバケモノだし!攻略ルートだと好感度低いキャラ盾にしてターン稼いで興ざめさせるしかないのよ!?ここでダメージ調整できずにポンポン死んでハーレムなんて夢のまた夢!こんちくしょう!転生してまず諦めたわハーレムルート!

 なのにそのライオットが倒れるって!あんときのあたしの気持ちがわかる!?」


 しらんがな。そう返答するにはあまりにもノルウェットは熱すぎた。


「と、とりあえず恋フラ?だっけ?ネタバレしてもらってもいい?」

「コイフラってなによ!『愛を掴み取れ!フラグオンゲット』略して愛フラ!間違えんじゃないわよ!」


 怒りつつも説明してくれた。アルハ編とノルウェット編のメイン攻略対象は以下六名で共通らしい。


 不遇の第二王子、ウィルオスト・ブルーム・イフスエル。王子様な同級生。

 辺境伯令息、ギルスナッド・アルザ。ヤリチンバイ先輩。

 侯爵家次男、ハシュター・ロツェルン。無口ワンコ同級生。

 売れっ子占星術師、ルノワール・ノエル。腹黒ショタ後輩。

 豪商伯爵三男、ハルピス・ユルダー。ゆるモテ幼馴染。

 騎士団長倅、グレイブ・クレスト。堅物ツンむっつり先輩。


 ギルスナッドの情報にアルハが衝撃を受けている間もノルウェットは語った。貴族令嬢としての魅力を発揮しなくてはならないノルウェット編の基軸は転生し身をもって令嬢人生を歩んできただけに容易くはあったが、明確な選択肢や好感度メーターのない現実世界である今世においてどれだけ苦労して推測を重ね攻略を進めたのかを。アルハにしてみれば六人の内四人が見知らぬ他人であり、仔細に語られたところで内容は右から左へ流れていくのみ。ただ、展開を知っている世界で、分岐と結末、己の行く末の良し悪しを思い浮かべながら探り探り生きてきたノルウェットの境遇については同情した。

 傍らにあるウィルオストや周囲の人物の()()をあまりにも憚らず語るノルウェットに居たたまれず入婿公爵をこっそり窺うも、気付かれてにこりと笑まれてしまう。濃い紫の髪と黒い瞳という暗色を纏いながらも雰囲気は柔く甘やかな王子様オーラが眩しい。金髪碧眼だとテンプレすぎる故の配色だというのか。畏れと威圧を孕んだ冷ややかな容姿のライオットとの違いに変な汗が出てしまう。慣れないイケメン怖い。


「ノルウェットさん、は、いつ思い出した?」

「…学院中等部に上がったときだから十二歳ね。お父様からアリスを同伴侍女として改めて紹介されたときよ。あぁ、そういやこの子ナビゲーターだわって。貴女は?」


 ようやく興奮の収まったノルウェットに突っ込むことなく、互いに境遇を語り合った。

 四歳で覚醒し以後出荷手前まで諦観し生きてきたアルハと、十二歳で覚醒しバッドエンドと現れぬ敵に怯えながらも必死に綱渡りをしていたノルウェット。互いに互いを把握したあとに痼りは残らなかった。


「幼女精神と真逆のオバサン精神で挙句家に味方がいないとか、変態親父に下衆られそうとか、下衆に嫁入りさせられそうとか、身動き取れないまま奴隷出荷予定だったなんて!ハードモードすぎるじゃない!!学院入学から開始なのに入学してこないと思ったら!…そんな設定無かったわよ!何の心構えもいらない初心者向けモードなのに!!ウィル!ちょっと酷すぎるわよどうにかして!」


 むしろ同情されすぎて泣かれてしまった。

 アルハはノルウェットの言葉の端々から、あどけなく爛漫な幼女精神であれば問題なく学院に入学できただろうことがうかがえてちょっぴりしょっぱい気分を味わっている。それはそれで己という人格は存在しないということではあるけれど。今となってはノルウェットの障害になることもなく結果オーライだったということにしておく。ただ、ひねた年増で申し訳ないがオバサン呼ばわりはさすがに辛い。まだババアのがマシだ。

 ウィルオストは苦笑しつつ、だからライオットが何もしないはずないだろう、と諭しながらノルウェットに次のケーキを配膳してやっていた。アルハは心中で涙を拭いながらウィルオストに追従する。


「リューン男爵家は取り潰しになった、とライオット様から聞いてます」

「そう。リューン男爵家は長女による密告により取り潰しのうえ夫妻は晒し首となったのだ。異例の長期軟禁の聴取は奴隷売買の販路の解明のためだとされているが、君の情報を引き出していたのだろうね」


 私の情報、ですか。そう首を傾げたアルハに告げられたのは『書庫』というキーワード。ぎくりとするアルハを押し退けてノルウェットが揶揄った。


「書庫!ねぇ、前世の記憶を『書庫』って!なんでそんな捻って恰好つけちゃったの?」

「んぐっ、そんなの、私にもノルウェットさんにも前世の記憶があります、しかもこの世界ではない異世界の記憶がーって頭おかしいでしょう普通に考えて。ライオット様相手ですよ!これはあかん奴やって見限られたら!そもそもノルウェットさんはなんでそんなオープン!?アリスさんには黙ってたんでしょう!?」

「アリスもお父様も一歩間違えればあたしを排除する人間だったんだから警戒して当たり前でしょ?だから今回の給仕が元第二王子様なわけ。もうほんっとありえないことに魔王とウィルが組んじゃったの。察しなさいよね。そういえばアリスに下手な情報与えてくれたわよねえ全く!あのときは本当肝が冷えたんだから」

「それは…すみませんでした…」

「ま、アリスが仕出かしたことは聞いてるから。あたしの指示ではないけど、その、悪かったわ…」


 アルハの境遇を悲観し同情する割にノルウェットの環境も温かくはなかった。

 利がなければ切り捨てるという実父やアリスの冷ややかな監視のなかを必死に泳いでいた。ただ、実母やごく一部の使用人とは良好な関係であり、彼らから注がれる愛情で己を奮い立たせたのだという。実母は夫であるローズ公爵が牢屋に入れられても、特に生活環境に変化がないということで大きな衝撃もなく日々飄々と強かに朗らかに過ごしているのだとか。逞しさ天晴である。むしろ娘が恋愛結婚で王子を捕まえたことにきゃっきゃしているらしい。

 ゲームから逸脱してしまった今となっては価値のない攻略情報やあらすじを答え合わせのように掻い摘んで説明されたものの、アルハの歩んできた今世にはかすりもしてなかった。


「__で、そんなこんなで愛フラはアプリ配信で追加ルート多くてメイン以外の攻略対象とか探り出したらキリないわけ。版権コラボすらあったし。周回してスチルを集めたりはできるけど、一旦メインが終わるのは断罪イベントよ。もうあたしにもよくわからないけど、学院卒業も断罪もなくローズバッドエンドの『修道院へ追放と見せかけて…デッドフラグ!』を体験しちゃったし、なんでか助かったあとで断罪イベント発生するしでスカイラーラが隠しキャラルート行くし。あたしは結局ウィルルートなのに王妃じゃなくて公爵夫人だし、なんか学生なのに仕事の山とか半端ないし意味わかんないし本当ムリ。これ社畜になっちゃうから。ブラックすぎてドン引きだから」

「公務は引継ぎがないからこその慌ただしさなのだ。落ち着くときには落ち着くからもう少し頑張ろう?ハシュやルノ、ピースにグレイも駆け回ってくれている。辛いのはあと少しだ」

「うう…。」

「君を手に入れられた。私だけのものに、妻に。それだけで私は頑張れる。まだまだ勝手もわからず力も及びきらないけれど、君との安寧のために私は全力を尽くす。だから」

「わかってる。わかってるわよ。こっ恥ずかしいから、もう、黙っててウィル」


 ハーレムを担っていた他の令息たちとは友情の位置でうまく碇を下ろし、彼らはそのまま若きローズ公爵夫妻を支える一翼となったらしい。今はまだ令息であってもいずれは各々が実力を示す看板を手に入れ、または家の爵の一部を譲り受けたりして強い派閥を形成するだろう。どうかオルガイアを阻むことがないようにと祈るほかない。ライオットと組み、ノルウェットを手に入れるという本懐を遂げたらしい満ち足りたウィルオストの様子を見る限り叛意はないとは思うが。

 口説くウィルオストと照れるノルウェットに微笑ましいものを感じながらアルハは温くなった紅茶で

喉を潤した。実に鑑賞に値する麗しき光景に透明な隔たりを感じながら。そして、ノルウェットはその不可視の隔たりを越えてぬっと顔を近付けてきた。


「ねぇ貴女は社会人だったんでしょ?なんか、こう、異世界転生チート的な経験とか知識とかない?よくあるでしょ商売したりなんだりして成功するパターン」


 アルハもそういう作品を読んだことがないわけでもないし、そういったことが過らなかったこともない。しかし、テンプレな料理好きであるとか裁縫デザインその他特技があるわけでなし元手も自由も専門知識もなく。今世と前世の差異を利用して成りあがるような案は浮かばずに首を左右に振った。ノルウェットはがっくりと項垂れ萎んでいく。

 そこへ低く甘い声が一石を投じた。


「ノルから、アルザ嬢のいう書庫もとい異界では選挙による民主主義が主流であると聞いた。…なぜオルガイアに尊王を説いた?この世に異界の道理をもたらそうとは思わなかったのか」


 ノルウェットをみやるとウィルオスト同様の疑問を抱いた眼差しを向けられていた。確かに、日本で普通に日常を生きていれば、王を戴くことも貴族という階級を割り振ることも時代錯誤に思えるだろう。天皇『制』などという存在しない制度をただただ文化的な意味合いで残しているだけなのだと思ってしまうのだろう。

 正解不正解の吟味は棚上げて放棄して、色々と情報を飲み込んでいた前世のアルハは民主主義にうんざりしていた。


「物事一長一短、万事塞翁が馬といいますか。一概にこう、とは決めかねますから」


 資本主義であっても、社会主義であっても、共産主義であっても、世界の仕組みは変わらない。

 生まれながらに持つもの、人生の過程で得るもの、持たなかったもの、失うもの。人の産まれいずる形も場所も歩む道も千差万別で平等はない。紆余曲折を経るも経ずも差は生じ、己や他人を愛するゆえに格差は広がり道理は曲げられる。人が人である限り、何度均そうとも平らなままの世界など創れはしない。


「積み上げた功績を子に継がせることで家として階級が成る。それを後世で不公平として突き崩しても、親が子を慈しめばまた積みあがるだけです。貴族を廃したところで商人が成り代わりましょう。王を廃し民衆が民衆から為政者を選ぶとしてその人となりを理解している者はごくわずか。あらゆる情報に踊らされ騙され扇動されて、身元も出自も知らぬ輩に責もない信を託す。国としての芯もなく姿勢を一貫することもできなくなれば外交も成り立たず、結局裏側に組織やらなにやらが立てられ暗躍してくれて、衆生は尊き一票がバタフライエフェクトとなると信じて微々たる権利を投じる。実感のない権利の行使にやがてダレて声上げぬ多数派は権利を放棄して、選挙は喚く少数派の悪意を象る手段に堕ちる。

 民衆は烏合です。日々を暮らすために励む者が政局の監視や調整を担い続けることは難しい。結局のところ餅は餅屋。選ぼうが選ぶまいが変わらない。どんな仕組みを敷いても腐るときは腐る。我らがイフスエル王国という仕組みはまだ替える必要性を感じない、といったところでしょうか。善き統治者にならんとするオルガイア殿下から王座を奪って国を混乱させることに利などありはしませんよ」


 とつとつと説いたところでノルウェットは胡散臭そうに眉を寄せ、ウィルオストは思案に耽る。結局のところアルハは今世においてたまたま直に次期権力者だろう人物たちの人となりに触れて一国民として国の行く末に杞憂がないだけなのだが。目の前で元第二王子殿下に考え込まれると緊張やらなんやらで心不全になりかねないので勘弁してほしい。


「アルザ嬢、君は今後こういった話題を振られたら黙しておいた方がいいだろう。しかし、私はあえて聞きたい。…今後の我が国千年の安寧に必要なものはなんだと思う」


 アルハは頷いてからふっと肩の力を抜いた。王国の安寧、永続に不可欠なものなんて決まっている。


「上に立つ者の矜持と民の誇り、じゃないですかね」

「支配者も被支配者も等しく質を高めるということかい」


 足るを知ること。不相応を恥じること。未知を知り取り入れること。日本を誇る理由と日本が負けた理由をこの国に足せばどうなるだろうか。オルガイアといういつか国の頂に上る人物と口がきけることの意味を再確認してぞわりと甘美な痺れを味わう。

 アルハはウィルオストの返答に是も否もなく問い返した。


「イフスエル王国の民がイフスエルの王国の臣民であると自負するところ。王と名乗らぬ貴族が己の属するところと定める存在。仰ぎ見て己が全体という個を形成するうちの一欠片だと知らしめるもの。イフスエル王国とは?」


 ウィルオストは目を閉じて思い描いたようだ。ゆっくりと瞼を押し上げて、泣き出しそうな顔を無理矢理取り繕った。

 そんな彼が口を開くより先に、公爵家の使用人だろう者が現れそそそと夫妻に言付けをしてきたことでアルハは暇を願い出る。若公爵は忙しい。ノルウェットの可愛らしい顔が心底うんざりだと歪むほどに。

 これと指し示すような目的もない茶会であったが、三竦みらしいヒロイン同士としての対立はもう必要ないのだということがわかった。過ぎ去ったドラマがあったことも、今世がゲーム通りのシナリオ一辺倒でないことも。なにより、ノルウェットはアルハの助力を望んでいた。


「アルハ!」


 席から立ち上がる手を掴んだノルウェットは眉を寄せ、数拍の葛藤を飲み込んでから挑発的に見上げてきた。


「また、招待してあげるからありがたく招かれなさい!いいわね!」


 ノルウェット・ローズはツンデレ設定だったのだろうか、ときょとりとしてしまう。脇の入婿公爵の蕩けるような甘い眼差しが自慢するようにアルハに向けられたことで彼女の素なのだと察した。


「ツンデレ?」

「っ!お、お黙りなさい!もう!…いいじゃない。私が、あたしになれる相手なんだもの。たまには付き合いなさいよ、年上でしょ…」


 年上らしくしかたないなあと笑えばプリプリと癇癪を起す。面倒と可愛いが半々の少女との今後の関わりに了承を示して踵を返した。


()()()は、____よ!貴女は?」


 懐かしい響きの言葉は今世でのデフォルトネームの下に隠れた彼女そのものなのだろう。アルハは緩く首を振って振り返り、辞去の礼をとってから己の頭を指してすべての指を開いてひらひらと振って去った。

久しぶりですみません。ゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

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