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僕、理由に呆れました

持病の悪化で遅くなりました。更新再開致します。

「さあ、皆で残りのキャストを埋めていこうか」


「監督さん、僕以外のキャスト決まってなかったんですね………」


「そりゃあ、主役が決まらないとこの企画自体が流れる事になっていたからね。他の配役が決まっていたら、迷惑かけてしまうだろう?」


 笑顔で仕切る作者さんとは対称的に、監督さんは凄く楽しみ疲れた顔をしています。

 今日は、皆で武蔵芸能の会議室に集まっています。目的は、僕以外のキャストを決める事。役者が僕だけという理由は納得したのですが、一つ納得出来ない事があります。


「それはわかりました。でも、何で店長さんがこの場にいるのですか?」


 会議室のテーブルにつき、何食わぬ顔で鉄観音茶を啜る岡部友子さんに質問しました。危ない超科学の産物を売る店の店長さんが、何故にこの場にいるのでしょう?


「岡部店長は、大事なスポンサーだよ。この企画に必要な資金と技術を提供してくれたんだ」


 あんなトンデモ兵器を売っている人が技術提供?嫌な予感しかしません。どんな技術を持ち込むのでしょうか。


「カオルちゃん、久しぶりね。この作品はテレビ放映しないって聞いてる?DVD販売と映画化はするけど、地上波でもBSでも放映はしないのよ」


「それ、初耳です。何でですか?」


 こういうのって、テレビで放映してからDVDで売ったり映画化しますよね。何故にテレビを抜かすのでしょう?


「それはね、俺がテレビ局を嫌いだからだよ。因みに、アニメじゃなく特撮で撮るのもそれが理由だよ。今テレビ局では、アニメに人気があるって知ってる?」


「いえ、知りませんでした」


 テレビ局に出入りはしているけれど、アニメの放映に関わる事はありません。共演者の人からもそんな話は聞いたことがありませんでした。


「アイドルや俳優の不祥事、多いでしょ。不祥事起こした人を使ってた番組のディレクターは、懲罰食らうんだよね。アニメならその心配は少ないでしょ。声優さんの不祥事なんて報道されたの聞いたことがないもんね」


「出演者のプライバシーの不祥事で、ディレクターさんが懲罰ですか。理不尽ですね」


 そんなの、テレビ局側には責任がないし防ぎようもありません。それなのに責任取らされるなんて、可哀想すぎます。


「それで、デュアルワールドもアニメ化の話があったんだけど、テレビ局側を喜ばせるのは嫌だから、実写でやってやろうと思ったんだ」


 どう考えてもアニメ向けのお話なのに、何で特撮なんだろうと思ったらそんな理由だったんですか。小説家には変人が多いと聞いていましたが、この作者さんも例外ではないのですね。


「雑談はこれまで。チャッチャと配役を決めていこうか!選定の基準は、イメージが合うこと優先でね」


 三時間程の話し合いを終え、全ての配役が決定しました。アトランタのテーブル三人も主人公の母親役と親友役、大人バージョン役で入っています。


「このフレンってキャラクター、本名が岡部友子なんですね。店長さんと同姓同名だ。奇遇ですね」


「あははは、そうねー」


 会議後のお茶を飲みながら雑談。長門さんの言葉に店長さんの笑顔がひきつり、冷や汗をかいています。


「それでは、このリストに従って出演依頼をかけます。結果は順次報告しますので。俺、監督なのに何でプロデューサーの仕事してるんだ?」


 誰も監督さんのぼやきに答える事はなく、会議はお開きとなりました。


 来週末に撮影する現場に行くとの事ですが、行きたいような行きたくないような。

 店長さんが用意したということなので、常識外れな代物が出てきそうな気がします。


 店長さん、せめて日本の法律に違反するような物は使わないでください!



 

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