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僕、こんな体型になった理由を推理しました

「お母さん、穂香。これはネットで得た情報からの推論だから、合っているかは保証は出来ないよ。それでもいいかな?」


「薫ちゃん、推測出来るだけでも凄いわよ。早く教えて頂戴!」


まずは胸について。僕はかなり太っていて、当然胸囲も太かった。

その後体の各所の脂肪を落とす運動をして痩せたわけだけど、体の全体を動かす運動はしなかった。

お腹や手足、表情筋の運動は念入りにしたから痩せたけど、胸と腰の脂肪は落ちずに残った結果がこの体型。


でも、それだけだと太っていた人がダイエットすれば、男女を問わずに胸が大きくなるということになる。

なのでもう一つの要素が関係してくる。それは、二年以上に渡って受けた虐めの内容。


胸は揉むと大きくなるという俗説がある。あれは半分正しいと僕は思う。胸は母乳を貯めるタンクの役割を持つので、女性ホルモンが分泌されると育つと言われている。


僕は性的に辱しめられ続けたので、分泌されるホルモンに異常が起きたのではないだろうか。

それが痩せた後も胸が小さくならなかった理由だと思う。


ついでに、僕は肋骨を何本か失ったので体型が少し変わってしまった。そのため通常ならば男性の胸は外に開く形になる所が内向きになるので、余計に胸が大きく見えてしまう。


「今のネットって、そんな事まで調べられるのか!」


「お父さん、そのままズバリ載っている訳ではないよ。断片的な情報を集めて繋げた推論だからね」


いくらインターネットでも、そんなにピンポイントで知りたい事を調べる事は出来ませんから。


「とりあえず揉んで貰えば効果があるのね。お父さん、お願いするわ!」


「母さんはもう無理だろう、諦めなさい。その大きさが好きだしな」


お父さん、お母さん。ラブラブなのは良いことですが、僕達の前では自重して下さい。


「お母さん、私はまだ育つしお願いね!」


「穂香、お母さん敵に塩を贈る余裕はないの」


男の僕達には解らないけど、そこには譲れない戦いがあるようです。


「仕方ないわね。じゃあお兄ちゃんお願いね、お母さんに勝つチャンスなのよ!」


「バカを言うな穂香!出来る筈がないだろう!」


なにを当たり前のように頼んできてるんだ。服の上からだろうと女の子の胸を揉むなんて、やれるはずないだろうに。


「女同士だし、私は気にしないわ。減るものでもないし」


「だから、僕は男だっ!それに、揉んだら僕の精神がゴリゴリとすり減るわっ!」


三年ぶりの家族は、怖くもないし緊張もしなかった。だけど、異常に疲れたのは何故でしょう。


「冗談はここまでにして、夕ご飯の準備をしましょう」


「冗談だったのか?本気にしか聞こえなかったが」


お父さんの突っ込みは、お母さんによって華麗にスルーされました。


夕食は、とても豪勢な内容でした。交わされる言葉こそ少ないものの、僕を気遣ってくれている事が伝わってきました。


美味しい食事も終わり、八女茶を飲みながらダラダラと話をしました。専ら僕が話して皆が聞き手に回ってくれています。


穂香が食いついてきたのは、ネット小説の話でした。


「小説家になるぜ!はいいよな。面白い作品が多いよ。玉石混交だけどな」


「面白い作品を探す楽しみがあるよね。好きな作品が人気出るのは嬉しいわ。」


それはわかる。お気に入りの作品が書籍化決定とかテンション上がるよね。それで更新の頻度が下がるという弊害もあるけど。


「薫ちゃん、お風呂沸かしたから入りなさい。お母さんも直ぐに入るから」


「食べたばかりなのにお風呂?それに、お母さんと入るの!」


もう十四才なんだから、母親と入る年はとうに過ぎている。ちょっと勘弁してほしい。


「その髪、手入れが適当過ぎるわ。お母さんが洗ってあげるわよ」


「切るつもりだから、別にいいよ。手入れとか面倒だし、男にこんな長い髪は変だもんな」


「「「その髪を切るなんてとんでもない!」」」


両親と穂香、皆が揃って切る事に反対しました。鬱陶しいんだけどなぁ。

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