ヤミノナカ
ただただなにもない深淵の闇
なんの目印もない暗黒のなかで、
僕はうずくまっているだけなのかな
ここから出るためには
どうすればいいんだろう
自らの意志で何かを始めようとした時
この闇は少しでも薄くなるのだろうか
なにもない漆黒のセカイは
僕を閉じ込めたまは
変わる気配はない
「どうせ無理だろ?」
暗闇のなかで僕は呟く
どうせできっこなかった。
無機質な地面の冷たさや
頬をなめる生温い空気は
僕に信号を送り続けた
「このままでいいだろ?」と
何もしなくていいこのセカイは、確かに苦痛も悲哀もなく案外気楽だった
現状維持。それはそれで心地よかった
だから気づかなかった
一条の光が僕を照らしても
僕はうずくまったまま下を向いて
目を閉じて変化の無い今を感じでいた
それに気づいたのはいつだろうか
不意に、喜びが伝わってきた
「何これ?」
同時に痛みと、安らぎと、憤怒と……
無限の感情が僕に流れてきた
これが生きるってことなのかな?
絶え間なく
次々と流れ来る感情の波
切ないほどの胸の痛み
荒破る興奮の嵐
冷たさと生暖かさの檻の中では
感じられない思い。
行ってみたかった。そんなセカイへ
思いの飛び交うセカイへと
目を開き、頭をあげる
暖かい光が僕を照らしていた
気づけば白い部屋の中にいた
回りには、顔。顔。そして、顔
色んな顔があった
少し怒った顔
笑みを湛えた顔
無表情な顔
だけどそれらは一様に
涙を浮かべていた
それは、とっても暖かかった
「僕は幸せなんだな」
あそこから出てよかったと思った
気けば僕の瞳にも
雫が......