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プロローグ
子供の頃からよく周りの人に、「お前ってポーカーフェイスだよな」って言われ続けてきた。
いや、内心言われる度にちょっと傷ついてるんだけど。ただそれが表に出てないだけで。でもそれをポーカーフェイスって言うのか。ならそれで合ってるかな。
少なくとも高校2年になったばかりのあの時は、「ポーカーフェイスである自分」に疑問なんてなかった。いつから感情を表に出さなくなったのかなんてすっかり忘れて、遠い昔のように感じてた。これからもずっとこんな風に無表情で、体の中にいろんなものを溜め込んでいくんだろうなって、そう思ってた。
そんな自分を変えた、高校2年の夏。ここに書くのは、そのきっかけとなった出来事。