9日目 最強のくらまくん
観察9日目、くらまくんのお家にお世話になったお礼も兼ねたお土産を持っていくように言われたけど、昼間は友達と約束があったのでその後夕方にくらまくんの家に伺うことにした。
インターフォンを押すとくらまくんが出てくれた。
「はい」
「あ、両親に頼まれて、お土産」
「わかった。ありがとう。ちょっと待って」
そう言ってドアから出てきたくらまくんはタンクトップだった。白のタンクトップ。いや、人の部屋着に興味はないんだけど、あまりにも白のタンクトップが似合っていないので少し面食いした。それに何故か少し汗ばんでいる。
「今日暑いよね、友達と出かけてたけど暑すぎて暑すぎて」
「そうなんだ」興味無さそうな顔のくらまくんにママから預かったお土産を手渡した。
「くらまくんは今日はずっと家だったの?」
「うん、アニメ見てユニ〇ロ行ってた」
「アニメ何見てたの?」
「範〇刃牙。見てたら筋トレしたくなったから、ユ〇クロでタンクトップ買ってきて、筋トレしてた。」
「あぁ…ね」こいつアホだな。形から入るタイプにも程があるし、あのアニメ見て筋トレしたくなるタイプの人間はだいたいアホだ。だいたいこう言うやつは不良漫画を読んで不良に憧れるタイプの人間だ。本当にアホだこいつは。もう帰ろう。だがやはり許せないものがある。
「刃牙は上裸にボクサーパンツだろ!」と言った私にくらまくんは
「上裸で筋トレって変な人みたいじゃん。筋トレと言えばタンクトップだし。」と覚めた目を向けてきた。なんだこいつ。ちゃぶ台返ししてやろうか。と思ったけどなんかニワカっぽいしこれ以上何も言わないことにした。こいつは最強の高校生でも何でもなかった。
くらまくん観察記録
9日目 最強のくらまくん(最強の高校生は上裸にボクサーパンツ)




