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新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!  作者: 椎名 富比路
第八章 敵は魔物生態系最強 ドラゴン

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第66話 幼女と、竜の巣

 あれだけ広大だった、暗黒大陸【テネブライ】未踏破エリアも、いよいよ中心部を残すのみとなった。


 高山エリアに囲まれた、底なしの大穴である。


 しかし、どうも入る気にならない。冒険心や好奇心旺盛なウチでも、ためらわれる。


 なにより、その名前が不穏だ。

 

「【竜の巣】エリアか……大層な名前やで」


 他のエリアはバイオーム、つまり環境名ばかりである。

 竜の巣だけ、やたらモンスターの呼称が具体的だ。

 

「竜というからには、敵はドラゴンでしょうか」


「行ってみんとわからんけどな。おそらくドラゴンか、その類やろうな」


 ウチらはまず、トンボ型ドローンを飛ばしてみた。


 しかし、なんらかのガスが発生しているみたいで、映像はノイズだらけ。まともに見ることができなかった。


 自分の足で、調べろってわけね。


 渋々、ウチはクゥハを連れて穴へと向かう。


 弟子のカニエ、ドワーフのメフティたちには、近くに設置した小屋で待機してもらう。二人はウチら人外と違って、戦闘には耐えられない。


 メフティはある程度戦えるが、凶悪なテネブライの魔物には通用しないだろう。


 山を超えて、穴の周辺に到着した。

 

 穴の広さで言えば、湖ひとつ分だろうか。


「暑いですね、アトキン。これは、噴火口でしょうか?」


 穴を覗き込みながら、クゥハが推理をする。


「いや、ちゃうやろクゥハ」


 噴火口なら、火山のてっぺんから伸びているはずだ。


「たしかに。それと、アトキンならわかると思いますが、ここだけ次元から切り離されているのです」


「せやねん。それが侵入を渋ってる理由なんよ」


 不自然に、周辺の砂嵐が途切れていた。

 

 テネブライでウチらをさんざん苦しめていた魔素は、ここからは出ていない。とはいえ、どのエリアにも干渉していて、ぶっちゃけ邪魔である。


 開拓をするなら、このエリアはぜひともクリアしておきたい。


 とはいえ、どう攻略したものか。


「対策は、しておこか」




 アジトに戻って、バイオジャケットを作り直す。


「今回は、一人で戦わないんですね?」


 ウチは自分以外のバイオジャケットを、三体作っていた。

 

「いや、これはカニエたちの護身用や」


 バイオジャケットを装備したとしても、カニエやメフティの戦闘力は知れている。


 ならば遠隔操作するドローンと割り切って、ジャケットには素材だけ取ってもらうことにした。


「あんたは【半永久器官】なんて、あげたところで断るやろ?」


「はい。ワタシは元々、【魔素吸収】がありますからね」


 クゥハは最初から、自然界の魔素を取り込める。テネブライの魔素さえ平気だったのも、そのためだ。

 むしろ、魔素の濃度が濃いテネブライこそ、彼女にとってホームと言える。


「とはいえ、今回はワタシも戦いに参加させてもらえなさそうですね」


「せや。相手は、一匹やろうからな」


 ウチの想像では、相手は一体しかいない気がした。

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