10話
シドは話し始めました。
カイトの仕事が終わりまた普通の日に戻る中、毎日のように自分の仕事に教えを請いに来る緑の髪の青年
緑の髪の青年の夢は最高の鍛冶武具職人
友人メルトとの約束もあり自分の工房の炉では武具は作らないと決めていたからその青年には農具や釣り具という形で刃物や飾り細工の技術は教えていたこと
青年の血の滲むような努力と才能が実を結び、シドが知る限りかなり上位の武具職人になりそのレベルは鍛冶職人として最高峰に到達していたこと
そして緑の髪の青年は自分の夢を叶えようとした、最高の武具職人になるという夢、それは霊獣塊と霊獣素材を使い1人で武具を精錬すること
勇者・賢者・覇者の霊獣はすでに力と秘宝を譲渡済み、緑の髪の青年は自らの命があるうちに霊獣塊と向き合うには守護者の存在が現れるのを待つよりも五百年も現れぬ守護者を選ぶ霊獣【玄武】にイチかバチか会いに行く事を決めた。そして極寒の北の地を数ヶ月も進み緑の髪の青年は玄武に選ばれた。
もう2度と霊獣塊に関わる事などあるはずがないと思っていたが緑の髪の青年はシドに炉を貸して欲しいと嘆願しにきたこと
シドは友人との約束があるから武具は無理だと伝えたが緑の髪の青年の熱意に負け友人メルトに自身の引退を条件に炉の売却の許可を取ったところ友人もまさか霊獣塊に使うともしらず売却の許可をだしたこと、そして売却後のいっさいに自身は関係しないと約束させたこと
そしてしばらくして王都で守護者の存在が確認され緑の髪の青年が守護者として国王と共に魔族と戦う宣誓をしたことその緑の髪の青年の名は【ロイド・グリーンスミス】
シド「そういう事だ・・・」
リサ「先日王都に行った時にお祭り騒ぎだったのは守護者の宣誓があったからね」
アムス「ロイドが守護者ね、おやっさん、何が問題なんだ?」
カイト「ああ、あいつの夢が叶ったなら嬉しいだろ?」
シド「夢が叶ったか…」
マリア「アムスもカイトもわかってないわよ!その緑の髪の青年の夢は最高の武具職人よね?最高の武具を作ったかもしれないけど今は武具職人ではなく守護者として生きているはず」
カイト「ああ、そういう事か…」
アムス「なら守護者など捨てて武具職人やればいいじゃないか!」
シド「アムス、グリーンスミス家は名家なんだ、俺をはじめスミスの系譜は鍛冶屋。その中で【ホワイトスミスが造武具】【レッドスミスが造砲撃】【ブルースミスが造車輌】【グリーンスミスが造船舶】と家によって得意分野がわかれている。この四家がスミス一族の源流で他にもイエロースミスやネイビースミスなど分家はたくさんある」
リサ「シド様のブラックスミスはどの系譜になるのですか?」
シド「ブラックスミスは異端扱いなんだ。簡単に言うとホワイト・レッド・ブルー・グリーン家の妾の子や訳ありの人間で才能が四家と同等と認められた時にブラックスミスの名字を与えられるんだ」
マリア「しらなかった」
シド「まぁブラックスミスは四家からは目の敵にされるけどな」
リサ「それで王国武具工房長の座を?」
シド「それは言うな、ホワイトスミスも腕だけは確かだからな、ロイドはおそらくグリーンスミスの家の為に守護者として国に仕える事を選択したのだと思う、ギルドカードを所持しているロイドに逃げ場などなかったはずだ!ロイドが逃げたらグリーンスミス家は国王によって皆斬首であろう」
カイト「ロイドがそんな事になってるなんて・・・」
シド「皆にお願いがある!ロイドは王国軍と共にこの魔族領に魔王を倒しに進軍するはずだ、その時はどうか手を貸してあげてくれないか?」
アムス「おやっさん、魔族領にいる俺から言えるのは魔族が全員悪いやつらじゃないって事。手を貸す理由がロイドが知り合いってだけじゃ無理だ」
カイト「おっちゃん、ロイドの親友として俺はあいつを助けたい!だけど魔王はしらないが理由もなくここの魔族を傷つけるなら俺はロイドでも許さない!」
マリア「シドさん、私達は今魔族達と共存しています、そしてここは魔王候補ミラ・レティスの直轄領です。この家もミラ・レティスの好意で建ててもらいました」
リサ「ミラ様は力の無い私にさえ同じ扱いをしてくださいます」
シド「魔王候補!!」
ちょうどそのタイミングで帰宅するミラ
ミラ「ただいま〜、今日の会議は疲れた〜、お腹ペコペコ」
ミラの存在をまた忘れていたのでした。
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