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勇者でしょ?いえ農夫です。  作者: 羽場ネロネ
覇者でしょ?いえ漁師です。
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11話

港に船を停め自宅に戻るカイト


300キロを超えるマグロを1人で担いていると


漁師A「カイト!お前それどうやって持ってるんだ?300は超えるだろ?」


カイト「毎日沖に出て漁してたらこんぐらい力がつくって!」


漁師A「若いってのは羨ましいな!」


鼻歌ルンルンなカイト


そして自宅の店頭の氷の上に黒マグロを置きました。


カイト「ただいま!超大物ゲット!」


父親「戻ったか!おお!これまたデカいな!てかお前1人で置いたのか?てかどうやって運んだ?」


カイト「小せぇ事は気にしないのが父ちゃんだろ?」


父親「おうよ!」


母親「おかえりカイト!ご苦労さん!奥で少し休みな!」


カイト「それが全然疲れてねぇの!マグロ解体しちゃうね!」


父親「すっかり1人前だな…」


カイト「父ちゃん!これ見て!」


赤い宝石とギザギザの歯を見せるカイト


父親「なんだ?サメでも釣れたのか?」


カイト「この赤い宝石はあいつの目だよ、もう片方は潰れてた」


父親「それってまさか!お前大丈夫だったのか?」


カイト「父ちゃんの仇とれたよ!2枚におろして海に捨ててきた!あんなのが海にいたらみんな安心して漁でれないもん」


父親「あんま無理すんじゃねぇよ、お前の身に何かあったらどうするんだよ」


カイト「デカかったけど弱かったよ(笑)」


父親「それじゃあまるで俺が弱い男みたいじゃねぇか」


カイト「冗談冗談!さてと」


マグロの解体を始めながら威勢良く声を出すカイト


「いらっしゃい!いらっしゃい!黒マグロの解体ショーだよ!欲しい部位は早い者勝ちだよ!」


人だかりができる店頭


母親「すっかりあんたの仕事ないわね」


父親「本当に何もかも出来るようになった、もう完全に1人前だ」


母親「そろそろかしら?」


父親「ああ、もうあいつはここにいるべきじゃない!もっと海を知り、魚を知り、人を知るべきだ」


その夜


カイト「ご馳走様!母ちゃん今日も美味かった!」


母親「それは良かったわ」


父親「カイト、そこに座れ」


カイト「なに?明日も早く海にでるよ?」


父親「大事な話だ、座れ」


いつになく真剣な顔の父親


父親「カイト、この家から出ていけ」


カイト「え!!なんで!俺なんかした?」


父親「お前はもう立派な漁師だ!俺の知る漁や魚の知識は全部お前に教えた、そしてもう教える事なんかない!だからこそ1人でこれから生活をするんだ。俺や母さんの手を借りることなく全てを1人でこなすんだ、そして色々な人と出会い、母ちゃんみたいな良い女を見つけるんだ、漁だけしていれば幸せなんて事は絶対にないんだ!俺は母さんと出会いお前が生まれてくれた事で毎日が幸せでいられるんだ」


カイト「……」


父親「お前が真剣に未来を考える時が今来たということだ」


考えるカイト


父親「本土にだって港町はある、王都にだって魚屋はあるんだ」


カイト「離ればなれはさみしいよ…」


母親「何を言ってるの?たまには顔を見せに帰ってきてちょうだい?」


カイト「え?帰ってきてもいいの?」


父親「当たり前だろ?ここはお前の実家だ。しかしここはお前が暮らし、仕事をする場所では無いって事だ」


カイト「そうなのか!なら大丈夫だ!てっきりもう会えないのかと思ったよ。自立ってことか!自分オリジナルの釣り具とか作りたかったから本土にでも行ってみようかな!」


父親「そうだ、母さんあれを」


帳面のようなものを渡す母親


母親「大事に使いなさい」


カイト「なにこれ?」


父親「金だ、お前は中等学舎も通わず毎日毎日働いてくれた、その給料が入ってる」


帳面を開くと驚くほどの金額でした。


カイト「こんなに!いらないよ俺!これから自分で稼ぐからこれは2人の老後にとっておいてよ!」


父親「なめるな小僧!まだまだ働けるわ!」


カイト「でも父ちゃんは足が…」


父親「何年義足で生活してると思ってんだ!また漁がしたくてうずうずしてる所だ!」


母親「私達の事は心配しないでいいの、18の子供に心配されるほど年とってないわよ!」


父親「その金はお前がこの店で売り上げた正当な金額だ、だからお前が使っていいんだ。お前は年間に何本も黒マグロ釣ってくるけどな黒マグロ専門の漁師でも年に1本とれたら安心で2本とれたらラッキー3本とったら金持ちなんだぞ?」


カイト「そうなの?」


父親「最近うちの店は魚屋じゃなくてマグロ屋みたいなイメージになってるんだぞ?」


カイト「知らなかった…」


父親「まぁいいさ、その金の一部で漁船を作れ!あの船は俺のだ、お前はお前の船を持つんだ、いいな?」


カイト「自分の船か!それは最高だ!」


父親「とにかく本土へ行け、そこから船屋で買うもよし、造船所で1から作るもよし。全てをこれからお前自身で決めて行くんだ!目的地と準備が出来たら俺が船で送ってやる」


カイト「なら最初に行きたい所があるんだ!本土の西の村に凄腕の釣り具屋があるらしいまずそこに行ってみようかな!」


父親「本土西の村だな、こっから1日半程度だな、よし!行きはお前が操縦しろ!その間は俺は寝てる」


カイト「なら明日準備をして翌朝出発するよ!おやすみ父ちゃん母ちゃん!」


カイトは自室に戻りました。


母親「なんだかあたしがさみしくなってきたわ…」

父親「そう言うな…あいつの未来、幸せの為だ…」



そして翌日全ての準備が整うと母親はカイトの好物を作りました。暖かい食事と笑顔に包まれる時間を家族で過ごし翌朝を迎えました。


カイト「母ちゃん!行ってくるね!あと、たいへんお世話になりました!幸せ見つけてくるわ!」


涙ぐむ母親


母親「昼と夜のお弁当ね、お父さんと食べなさい。いい?無理はしない事、困ったら誰かに頼る事、がんばってらっしゃい!くれぐれも悪い女に引っかからない事!」


カイト「了解!!」


父親「いくぞ!」


カイト「あいよ!」


船は西の海に進みだしたのでした。


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