3話
シィーーーー
シィーーーー
シィーーーー
シィーーーー
一定のリズムで心地よい音が響く
カイト「とうちゃん!何してんの?」
父親「これはな切れ味が落ちた包丁を砥石でといでるところだ」
カイト「切れ味が落ちるとなにがだめなの?」
父親「魚をさばくのにもっとも大切なのが切れ味なんだ、味への影響もあるしさばく作業時間がかわってくるんだ。切れ味が悪くてもたもたしてたらお客さんかえっちまうだろ?」
カイト「なるほど!」
父親「今日はマグロなどの大物を解体する長尺の刀と船上で仕留めるモリも研ぐからそこで良くみとけ」
カイト「うん!」
父親「漁をするだけじゃダメなんだ、こういった手入れは必ず必要なんだ、小さな差がいずれ大きな差になるんだ!最高の漁師ってのはそういう小さな事を疎かにしないやつの事だと俺はおもっている」
カイト「やっぱ父ちゃんはかっこいいな!」
眼を輝かせるカイト
父親「うるせえ馬鹿野郎♪」
ニヤニヤがとまらない父親
カイト「そのモリ先っちょがボロボロだね」
父親「大きい魚類は頭骨も硬いからな、ただの鉄鋼だと堅さで負ける事もある」
カイト「そうなのか」
父親「もっと強靱な鉱物や魔物の素材で作れれば良いんだがそういった素材は対魔族用に優先して武器や防具、魔導具、防衛施設などに回されるんだ、釣り具などに使用できねぇってわけ」
カイト「チェッ!今戦争なんてしてないじゃん」
父親「まぁ全く使用出来ないわけじゃないけどな」
カイト「え?どういう事?」
父親「自分で魔物を討伐し素材を入手して釣り具や刃物にするぶんには問題ないんだ」
カイト「えっ!まじで?」
カイトの眼が銀河のごとく輝く
父親「カイト!まさか魔物を狩ろうなど思ってねぇよな?魔物を侮るな!魚とはわけが違うんだぞ、ギルドに加入するような屈強な冒険者でもなければ魔物を倒せたりはしないんだ!10才のカイトなど魔物の餌になるだけだぞ!」
カイト「だ・だ・大丈夫だよ行かねぇから…」
父親「まぁ俺も若い時は憧れたさ、自分オリジナルの漁師道具」
カイト(父ちゃんに格好いい釣り具を作ってあげてぇな…)
次の学舎休日の朝、1人素潜りでモリを突く練習をするカイト。
その合間にお店で売るサザエやエビなども器用にあつめました。
カイト(やっぱり難しいな〜…簡単に動く魚を突く父ちゃんはやっぱスゲぇ!)
さんざん練習し昼食をとりに家に戻る途中で島の釣り具屋をのぞきました。
カイト(かっこいいな〜、この装飾…)
店主「なんだ坊主、気になるのかい?おお、その髪の色はライドんとこの小僧か」
※父親の名はライド・ブルーフィールド
カイト「おっちゃん、この竿の装飾かっこいいね!」
店主「なかなか見所があるじゃねぇか、その装飾は俺の憧れの存在、シド・ブラックスミス様の装飾を真似して俺が作った竿だ!本物のブラックスミス様の装飾には遙か及ばないがな」
カイト「もっと凄いのを作れる人がいるのか!」
店主「ああ、いるぞ!王国武具工房長を辞されたあと、農具・釣り具屋を開いた噂を聞きつけて挨拶にいった事があるんだがそれはもう全ての農具・釣り具が輝いていたぞ!」
カイト「俺も見てみてぇ!」
店主「本土の西の果ての小さな村だ、大人になったら行ってみるといいさ」
カイト「おっちゃんありがとう!大きくなったら行ってみるよ!そんでそこの釣り具を父ちゃんに買ってあげるんだ!」
満面の笑顔で走り出すカイト
カイト「目標ができた! 父ちゃんにブラックなんとかさんの竿をプレゼントするんだ!」
カイトの頭の中に本土西の村のブラックなんとかさんがインプットされたのでした。
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