5話
「じいちゃん、、俺行ってくるよ!心配しないで、準備はもう十分にしたからさ…」
墓前で手を合わせるアムス
少年から少し大人な顔つきになったアムス
身体も大きくなり、あきらかに筋肉がアップしていました。
そしてシドの店へ向かいました。
シド「おめえは何度も何度も懲りないやつだな!いいか?俺はもう絶対武具はつくらんし絶対弟子もとらん!!!とっとと帰れや若造!!」
若者「また来ます!私はあなたに教わりたいんです!あなたのもとで修行したいんです!弟子にしてくれるまで何度でもきます!」
若者は一礼して去っていきました
アムス(俺あいつなんだか嫌いじゃないな〜)
アムス「おっちゃん!久しぶり!俺だよ!」
シド「誰がおっちゃんだ!何だてめぇは!っておおおおおお!いつぞやの小僧じゃねぇか!たしかアムス?元気にしてたんだな?こんなに身体も大きくなって!」
バシバシとアムスの身体を叩きまくるシド
そして急に空気がかわり
シド「ここに来たってことは魔物から素材を手に入れるんだよな??」
アムス「うん」
シド「そうかでも物事には順番がある、弱い魔物から徐々に経験を積んで強い魔物と戦う。これは冒険者だろうがかわらん。」
アムス「うん、もっともだと思う」
シド「お前武器は扱えるのか?」
アムス「武器じゃないけど鎌と鉈でやっていこうと思ってるんだ」
シド「鎌と鉈ね、、ちょいと見せてみろ」
丁寧に研がれた鎌と鉈に関心するシド。
シド「お前が手入れしてるのか?」
アムス「うん、じいちゃんが生前に農具は大事にしろって」
シド「素晴らしいじいさんだったんだな」
アムス「最高のじいちゃんだったよ!育てられない作物なんてなかった、じいちゃんにかかればみんな豊作だったよ」
シド「そうか、この村の野菜の価格が低いのはお前のじいさんのおかげなんだろうな」
アムス「うん!じいちゃんの後を継ぐためにも俺は最高の農具で農業がしたいんだ!」
アムスの眼が流星群のように輝く
シド「では本題に入ろう」
シド「今のお前の腕で倒せて農具に使える素材を得られる魔物など数少ない」
アムス「え〜〜 毎日筋トレ頑張ったよ俺?」
鍛えた身体をみせびらかすアムス。
シド「筋肉があってもその鎌と鉈ではろくに魔物にダメージなど与えられないのが現実だ」
アムス「そうなのか〜」
シド「だから今すべきは弱い魔物を倒しコツコツ素材を集めてその鎌と鉈を強化するのが1番だと思う」
アムス「ふむふむ」
シド「その強化素材ってのが白鉄鋼ってんだ、持ってる魔物は紫のスライム」
アムス「?持っている?剥ぎ取るんじゃないの?」
シド「ふむ、ドロップアイテムってところだ、紫のスライムは強酸でできていて酸の攻撃をするが素人でも倒せるほど弱いんだ」
アムス「ふむふむ」
シド「その紫スライムの食事は土や石だ」
アムス「ふむふむ」
シド「紫スライムが食べた土や石の中にスライムの酸でも溶けない白鉄鋼だけが体内に残る」
アムス「ふむふむ」
シド「つまり紫スライムを倒して白鉄鋼がでてくればラッキー!ってなわけよ」
アムス「なるほど!!」
シド「だが簡単じゃねえのよ」
アムス「どうして?」
シド「1体からとれる白鉄鋼はわずかなんだ、見た目じゃわからんが若い個体にはそもそも蓄積されていない。白鉄鋼が含まれる土や石を食べてないとまるででてこないのよ」
アムス「なるほどなるほど」
シド「その鎌と鉈を強化するのに必要な量となるとざっと10000体は倒す必要があるな、、、」
アムス「10000!!」
シド「まぁ冒険者でもないお前が集めるにはコツコツやらんと!その覚悟がないなら最高の農具への夢は諦めるんだな、普通の鉄でも農業そのものはできるのだからな」
アムス「あきらめるもんか!どんなに時間がかかってもこれが最初の一歩なんだ!踏み出してなんぼの夢だから!」
シド(俺も若いころは武具作りに燃えていたな……)
シド「白鉄鋼をドロップする紫スライムが生息するのはここから歩いて2日程度かかる西の山の洞窟の中だ。ある一定量を集めたら一度村に戻るのがベストだからな、無理して急いで命でも落とせばなんの意味もないんだからな」
アムス「ありがと!そうするよおっちゃん!」
シド「あと1つまぁお前には関係ないとは思うが西の山には霊獣がいるらしい。っても選ばれし冒険者だけの前に姿をあらわし魔王と戦う力と武具の素材を与えるらしい」
アムス「へ〜〜」
シド「前勇者が亡くなってから未だに新しい勇者が現れていないんだ」
アムス「へ〜〜〜」
シド「お前のような農業馬鹿の前に現れるわけないから無駄話だったな、さぁ行ってこい!お前にはコツコツが1番!!」
アムス「コツコツ気合いで集めてくるぜ!!」
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