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勇者でしょ?いえ農夫です。  作者: 羽場ネロネ
賢者でしょ?いえ料理人です。
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17話

カランコロン♪


マリア「お邪魔しまーす」


マリアとリサで入店すると奥から頭をかきながら眠そうにシドが出てきました。


シド「いらっしゃい…好きに見ていって…!?」


店の窓から見える王族の馬車


シド(何故ここに王族が!護衛か?王都の騎馬隊までお付きじゃねぇか!勇者の件がばれたのか!)


マリア「向こうでトマトを育てているアームストロングさんが持っていた農具の装飾があまりにも素敵でして

どこで作られたのか聞いたらここだと教えていただきました」


シド(装飾に興味がある王族か…良かった…)


シド「たいしたものは無いですが好きに見ていってください」


それからマリアは色々な農具に施された装飾を見て確信しました


マリア(この人が料理長の包丁を作った人に違いない!)


マリア「この店に料理包丁はありますか?」


シド「漁師が使う出刃や一般的な三徳ならありますよ」


マリア「一流の料理人が使うような専門的な物は?」


シド「それはないですね、うちは農具・釣り具店ですので」


マリア「では作った事もないのですか?」


シド「そう言えば俺がまだ駆け出しの若造の時に一度頼みに頼まれて包丁のセット一式作った程度です」


目が輝くマリア


マリア「その時の事を覚えていますか?」


シド「俺より少し年下の料理人でしたね、私にどうしても包丁を作って欲しいと。その時私は武具職人でして、包丁など作った事もなかったのですが形やサイズ用途を丁寧に記した紙を手に何度も何度もお願いにきて、私もその熱意にやられて包丁一式を作ったのです」


マリア「そうだったのですね」


シド「遙か昔の話です!いっぱしの料理人になってまだその包丁使ってたら職人冥利に尽きるってとこです」


マリア「今でも大切に使っていますよ!」


シド「え?」


マリア「その料理人は今でもあなたの包丁を大事に大事に手入れを欠かすこと無く使っていますよ!」


シド「どういうことでしょうか?」


マリア「ここにある農具の装飾をみればわかります。私の師でもある宮殿料理長の包丁に似ています。料理長は王都で名をはせた武具職人が若い頃に何度もお願いして作って貰ったと言っていました」


シド「そうでしたか、立派になられたようで良かった」


マリア「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


シド「シド・ブラックスミスと申します」


リサ(どこかで聞いた覚えが)


マリア「ブラックスミス様、折り入ってお願いがございます」


シド「王族の方がお願いなど、何でしょうか?」


リサに思念伝達魔法を使うマリア


マリア《私も料理長みたいに素敵な包丁が欲しいの!》


リサ《作っても良いかと思いますよ》


マリア「ブラックスミス様に私に包丁一式を作ってほしいの」


シド「王都にも腕利きの鍛冶屋はいると思いますが」


マリア「あなたに作って欲しいの」


リサの耳元で確認をとるシド


シド「このお方のご身分は?」


リサ「国王陛下の姪にあたります」



シド(王女殿下じゃないか!断ったらどうなるかわからん!)


シド「え、えっと、謹んでお受け致します王女殿下」


マリア「嬉しいわ!」


形やサイズ、用途を丁寧に説明するマリア


そして


マリア「ここからのお願いは無理なら忘れてほしいのです」


マリア《リサ、これからの事がもしうまくいかなかったら記憶消去魔法でこの人の今日の記憶を消すから心配しないで》


リサ《わかりました》


マリア「ブラックスミス様、外の者に会話が聞かれたりのぞき見をされないように魔法を使わせて頂きますがよろしいでしょうか?」


シド「包丁つくるのにも王族は大変なんですね、どうぞご自由に」


防音の魔方陣と幻影の魔方陣を同時に発動するマリア


シド(おいおいおい、王女殿下は何者なんだ?)


マリア「これで安心です、さてブラックスミス様」


シド「シドとお呼びください王女殿下」


マリア「それではシドさん本題です。普通の鉄鋼以外で包丁を作って欲しいのです」


シド「王女殿下のお願いであればどのような素材であろうと平民の私には関係ございません。ただし素材はそちらで用意して頂くこと、その素材は合法的に入手していれば問題ありません」


マリア「見て頂きたい素材があります」


シド「バックも持ってないのにいったいどこに素材が…」


マリアは床に亜空間収納の魔方陣を展開しました。


そして現れた霊獣塊と霊獣素材に固まるシドであった。


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