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勇者でしょ?いえ農夫です。  作者: 羽場ネロネ
賢者でしょ?いえ料理人です。
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15話

春になり調理科の学校に進んだマリア、頭の中は知識でごちゃごちゃするものの自分が賢者とはすっかり忘れるほど料理に没頭する毎日が過ぎました。



そして3年の月日が経ちすっかり大人になった18才のマリアは無事にリサと学校を卒業したのでした。


マリア「卒業して3ヶ月、リサは卒業する前からここで働いてるから大きな変化ないわよね」


リサ「そうですね、学業が無いぶんマリア様に付きっきりでお世話できます」


とても嬉しそうな笑顔を見せるリサ


マリア「料理人の夢を叶えるには私どうすればいいのかしら」


リサ「店のオーナーが王族の方を雇うなんて出来ませんからね」


マリア「そうなのよ…なら自分のお店を持てばなんて思ったけどきっと店内護衛だらけで雰囲気なんてあったもんじゃない!もう!なんとかならないのかしら!」


料理長「マリア様ご機嫌斜めなようで、今日は私がまかないをつくりましょうか?最近は私の出る幕が少なく、ディナーもマリア様がお作りになられてどっちが料理長かわかりません」


マリア「料理長は私の師匠ですから!」


料理長「まかないでは無いのですが今話題のトマトが手にはいったので味見しませんか?」


マリア「話題のトマト?」


料理長「はい、従来のトマトとは全く違うようです、最初は市場の隅で売られていたようですが噂が噂を呼び今では市場が開く前から行列ができるほどのトマトです」


マリア「トマトに行列!!」


リサ「とても興味がわきますね」


料理長「私も初めてなのです!心躍ります!」


マリア「パスタにする?ミートソースにする?」


料理長「マリア様、そのトマトは生で食べるのが1番らしいのです」


マリア・リサ「生で!!」


料理長「私も信じられないのですが、最初は冷やして生でそのまま食べて欲しいとの生産者のお願いらしいです、その次に岩塩をかけて食べる。冷やしたトマトに岩塩が1番美味しいとのことです、もちろん火にかけても美味しいらしいですが生産者の想いにこたえて生で食べましょう!」


マリア「楽しみ!!酸っぱくないのかしら」


冷蔵室からトマトをもってくる料理長、真っ赤に熟れてみずみずしく形も大きく丸々としたトマトです。


マリア「まるで宝石のような張りと艶!」


料理長「生産者によると半分にした後輪切りが良いそうです。なるほど、その方が岩塩を振った時にしっかり面に塩が付くからでしょうね」


マリア「その生産者はわかってるわね」


料理長「はい、では実食してみましょう、まずは岩塩なしで」


生のトマトを口に入れる3人


マリア「甘い!何この甘み!トマトだけどトマトじゃない!」


リサ「信じられない…」


料理長「ここまでの糖度は果実に匹敵しますね!でもただ甘いのでは無くちゃんと野菜らしい甘さです!」


マリア「これはすごいトマトね」


料理長「では生産者おすすめの岩塩を振りましょう」


【カリッカリッカリッ】


ソルトミルで砕かれた岩塩がトマトの上でキラキラ光る


口に運ぶ3人


…………


言葉が無い3人


もう一口手を出す3人


…………


さらにもう一口手を出す3人


…………


マリア「これはかなりの美味だわ岩塩のミネラルと塩味がトマトの甘みをさらにひきたてていると同時に岩塩自体の美味しさも際立っているわね」


料理長「その通りですね、双方の良さを引き立てる組み合わせですね」


リサ「甘いのにさっぱり!いくらでも食べられますわ」


マリア「料理長、これはどこで作られたトマトなのですか?」


料理長「名も無き西の村です、最果ての村とも呼ばれています。その村でトマトを育てているのはその生産者だけのようです名はたしかアームストロングさんでした」


マリア「アームストロングさんね、情報としてはじゅうぶんね」


目が輝くマリア


マリア「リサ!このトマトの生産者に会いに行きましょう!」


リサ「こちらが出向くのですか?」


マリア「当たり前でしょ!こんな美味しいトマトを作るのだからきっと毎日忙しくしてるはずだわ、それとお父様に外出の許可を申請してちょうだい期間はそうね、10日間位かしら」


リサ「承知しました」


マリア「料理長!現地でこのトマト見てきます!」


料理長「それは料理人として必ずや糧になるでしょう」


ニコッと笑うマリア


そして許可がおり、マリアは王都の馬車で西の村へ向かうのでした。


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