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勇者でしょ?いえ農夫です。  作者: 羽場ネロネ
賢者でしょ?いえ料理人です。
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2話

執事「お待ちください!マーリーアーさーまーー!」


ランチ前の宮殿に毎日聞こえる執事の叫び声


執事「マリア様!まだお勉強の時間は終わっておりませぬ!ささ、もどって続きを」



マリア「うるさい!私には勉強よりも大切な事があるの!邪魔しないで!」


宮殿の厨房に駆け込むマリア


マリア「料理長!今日もお仕事見ててもいい?」


料理長「ようこそマリア様、私などに許可を取る必要はございません、ただ厨房は刃物や火を扱います、くれぐれもその椅子から動かないでください」


マリア「わかってるって!」


そしてマリアは食い入るように観察し料理長が作り出す美しい料理に心が踊るようでした。


マリア「ねぇ?どうしたらこんなに美しい料理がつくれるの?」


料理長「まずお褒めいただき感激の極みですマリア様料理の美しさは盛り付けや色を添える食材を使えばそれっぽくは見えます、ですが料理はあくまでも美味しくなくてはなりません、そして栄養についてもバランス良く取り入れなくてはなりません、宮殿の料理長として王族の皆様やここで働く使用人達の健康を考えそして美味しい料理を提供する、そして食欲が沸くような美しい盛り付けを心がけています、とはいっても使用人達は王族の皆様と同じ料理ではなく【まかない】ですがね」



眼を輝かせるマリア


マリアにとって料理長は憧れの存在なのです


とある日の厨房奥から心地よいリズムの音が聞こえてきました。


シィーーーー

シューーーー

シィーーーー

シューーーー

シィーーーー

シューーーー


一定のリズムで心地よい音が響き渡りそしてその音に気がついたマリアは厨房をのぞきこむました。


マリア「料理長!何してるの?」


料理長「マリア様、これは切れ味の落ちた包丁を砥石で研いでいるところです」


マリア「切れ味が落ちるとなにがだめなの?」


料理長「切れ味は調理をする上でもっとも大事な事かもしれません。特に生で食す魚や野菜は大きく切れ味に影響をうけますスっと切れるのと押しつぶすように切れるのでは食べ物の繊維に影響がでるのです、少し試してみますか?」


マリア「気になる気になる!お願い!」


料理長「かしこまりました」


冷蔵室から魚の冊をとりだした料理長


料理長「まずは切れ味が良い方で切ります」


スッときれる切り身


料理長「食べてみてください」


マリア「うん!おいしい!」


料理長「では切れ味の悪い方で切ります」


やや切り口がギザギザとなる切り身


料理長「食べてみてください」


マリア「え!同じ魚なのに臭みがある」


料理長「それにお気付きになるマリア様はそうとう舌が繊細ですね!わかる人にはわかるのです、だから常に切れ味を良くしておくのです!こうやって時間がある時に手入れをすることは料理人にとってとても大事なことなんだと私はおもっております」


マリア「なるほど!料理長はやっぱりかっこいい!」


眼を輝かせるマリア


料理長「お褒めを授かり光栄です」


マリア「にしてもその包丁の装飾綺麗よね〜」


料理長「これはかつてこの王都で名をはせた武具職人に若い頃に何度もお願いに行って作って貰った包丁一式の内の1本です。装飾ももちろんですが刃そのものの強度が同じ鉄鋼からつくったものと比べて雲泥の差なのです」


マリア「そうなのね〜」


料理長「もっと強靱な鉱物や魔物の素材で作れればよいのですがそういった素材は対魔族用に優先して武器や防具、魔導具、防衛施設などに回されるので調理器具などに使用はできないのです」


マリア「お父様にお願いしてみようか?」


料理長「めっそうもございません、そして全く使用出来ないわけではないのです」


マリア「どういうこと?」


料理長「自分で魔物を討伐し素材を入手し加工するのは問題ないのです」


マリア「え討伐?!でも魔物強いよね?」


少し怯えるマリア


料理長「左様でございます、とても強いので冒険者でもなければ討伐などできません」


マリア「私が冒険者になるわけがないから関係のない話ね!」


意味不明に強がるマリア


料理長「その通りでございますマリア様」


通路から響く執事の声とかけ足の音


執事「マーリーアー様」


厨房をのぞきこむ執事


執事「やはりここに!マリア様!ティータイムのレッスンが始まります!講師もお待ちです!行きますぞ!」


マリア「料理長!ティータイムのケーキは何?」


料理長「今日はベイクドチーズケーキをご用意しています」


マリア「楽しみにしてるわね!」


マリアに一礼する料理長


執事「マリア様、厨房に行くなとはいいませんが一声かけていただけますでしょうか」


マリア「は〜い、リサは帰ってきている?」


執事「先ほど戻ってきてティータイムのレッスンからマリア様を担当致します」


※リサは使用人のため平日正午過ぎまでは小児学舎で勉強


マリア「それはよかったわ」


宮殿の庭にティータイムの準備が出来ている


リサ「マリア様これから担当させていただきます」


マリア「よろしくね!リサ!」


リサ「はい!」


講師「マリア様、予定より30分も遅いですが何をしていらしたのですか?誘われたティータイムに遅れるのはとてもマナーの悪い事なのです!以後気をつけてください」


マリア「はーい」


料理長のベイクドチーズケーキが気になってしかたないマリア


マリア「早くレッスンスタート!」


講師「ほんとうにマリア様は・・・」


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