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プレジャーシステム

「あなたが気に入ってくれたなら、手続きを進めるとしよう」


 とリチャードは言う。


「よろしくお願いします」

 

 礼音に言葉にうなずいたあと、


「では次にはミカヅキオフィスの件だな」


 とリチャードは続ける。


「おじい様、お茶をしたいわ!」


 途中でエヴァが遠慮なくぶった切り、自分の要望を告げた。


「おっと、すまない。下のカフェでひと休みしようか」


 リチャードは目を細めながら謝る。


(どこかうれしそうなんだよな)


 と礼音は思う。

 元気になったエヴァとの会話は何でも楽しいのだろうか。


 そんな雰囲気が伝わってくる。

 三人は二階のカフェに降りて、四人掛けの座席で紅茶を頼む。


「まずエヴァだが、ミカヅキオフィスの従業員でお願いしたい」


「わかりました」


 リチャードからの要求に礼音は即答する。

 拒否権がないに等しいが、断る理由もないのだから関係ない。


「あと異世界【アルカン】に関する貢献度をあらわした、プレジャーシステムについては知っているかな?」


 とリチャードは聞く。


「いえ、知りません」


 礼音は目を丸くしながら首を横に振る。


「あなたは貢献度的にランクインするはずだが……」


 とりチャートは怪訝そうにしたあと、


「わたしが話してはいけないというルールもないので、言ってしまおうか」


 自分で結論を出す。


「お願いします」

 

 礼音としては気になる名前なので、続きをうながす。


「【アルカン】から持ち帰った素材などを基準にした評価が、こちらの世界じゃランキングに掲載されるんだよ。それが【プレジャーシステム】だ」


 とリチャードが語る。


「ランキング、好きですね」


 礼音が困って言うと、


「わかりやすいのはたしかだ」


 彼は苦笑しながら答えた。


「異世界法人を作ればほぼ確実にランキングに放り込まれる。あなたもそろそろ自分で確認できるはずだよ」


 とリチャードが言う。


「もしかしてリチャードさんは見られるんですか?」


 言い方が気になったので、礼音は問いかける。


「私が出資者になっている法人は、頼めば見せてくれるからね。それに法人名だけのランキングなら機密性はない」


 とリチャードは返答しならがスマホを操作した。

 

(珍しいな)


 礼音がそう思うと、彼のスマホがすぐに震える。


「ああ、やはり見せてもいいようだ。見てみるかい?」


 とリチャードに聞かれたので礼音はうなずく。

 すると老人はスマホ画面を操作して、見せてくれた。


「ミカヅキオフィスは現在ランキングで世界3位だね」


「…………えっ?」


 リチャードが何を言ったのかすぐに理解できなかったし、画面に表記されている「3位ミカヅキオフィス」も頭に入ってこない。


「3位? 世界で?」


 礼音は自分で言っていることが信じられなかった。


「そうだよ。【ヌーカ】という希少な薬を持ち帰り、エヴァを助けてくれただろう?」


 リチャードは微笑みながら理由をしゃべる。

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