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情報収集、練習、思案

「俺もちょっと頑張ろうかな」


 わりと単純な礼音は、可憐なアメリカ少女が頑張っているを見て、自分もすこしは働こうという気になった。


 年収200億に届いたと言っても、ほとんどがエヴァの祖父リチャードからの報酬だ。


 何となくそれだけではよくないと彼は感じている。


 それにエヴァと一緒に【アルカン】に行くなら、もうすこしレベルをあげたり知識を仕入れたりしておきたい。


 もっともなるべく楽にという点を譲るつもりもないのだが、彼なりにちょっとは彼女にカッコつけたいと思うのだ。


 彼は渋谷支部に寄って天ケ瀬がいないか聞く。


「彼女は今日休みですね」


 と答えてくれた男性職員に頼んで【懸賞クエスト】を見せてもらう。


 ・【エリクサー】募集

 ・【ヒクイドリのかぎ爪】売ってください


 ・病気の治療に使うので【ソーマ】がほしい

 ・【マンドラゴラ】の花びらが欲しい


 【ヌーカ】は取り下げられているが、以前見た他の依頼はそのままだったし、さらに新しい依頼がある。


「俺が持って来れそうなものはないな」


 と礼音はつぶやく。


 【ヌーカ】を持ち帰ったときと同じく、集められるものを集めて、それから【懸賞クエスト】をクリアできるか試したほうがよさそうだ。


 彼はいつもの【ゲート】を通って都市リーメにやってきて、交易ギルドに顔を出す。


「都市リーメで採取できそうなアイテムについて聞きたいのですが」


 と彼は男性受付に聞く。


「うーん、ある程度の法則性は確認されているけど、時期によってわりと変わるのですよね」


 男性受付は困った顔で答える。


「えっ、そうなんですか?」


「ええ。ですから前回あなたが【ヌーカ】の材料を持ち帰ったことに、ギルド一同が驚きましたよ」


 男性受付の返事に礼音こそ驚いた。

 

(現地人でもわかってないんじゃ、どうしようもないな)


 とあきらめる。

 もとより熱意を持っていたわけじゃないので、彼の切り替えは早かった。


「とりあえずリーメ付近の森林を散策してみます」


 何かあればいいなと思って告げる。


「了解です」


 礼音はいつもの場所で水と携帯食を買って森を目指す。

 

「レベル上げもしたいけど、どうするかなー」


 とつぶやく。


 彼が持つスキル「存在感なし」は敵に気づかれないためのもので、戦いに向いたものじゃない。


 トレジャースネークを倒したときみたいな偶然も期待できないので、何か工夫が必要だろう。


「簡単? かわかんないが、やりやすいのは投石だけど」


 当たるかどうかわからないが、接近戦をやるよりはマシだと礼音は思う。

 とりあえずを拾って投げてみるものの、当たらない。


「……狙った場所に当てるのって難しいんだな」


 と実感する。

 石を命中させるためには、標的にある程度の大きさが必要になりそうだ。


「そしてデカいモンスターは、小石を当てたくらいじゃダメージにならないよな」


 デカい生き物はたいていタフで、よほどのことがないかぎり小石一発で倒せないだろう。


 モンスターを倒さずにしのぐか、モンスターを倒す方法か。

 礼音としては思案のしどころだ。


「いや待てよ。俺のレベル50だったよな。……エヴァはレベルあげて、リハビリの過程を短縮したんだよな」


 なら自分にも何らかのメリットが発生しているんじゃないか?

 彼はそう考える。

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