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上巻で、防犯カメラに写っていた顔によって何度も犯人扱いされ、ディープフェイクのせいでアダルトビデオにも出演したことになってしまったフルタであったが、それがきっかけでアダルトビデオの相手役だったサクライクララと同居することになった。
下巻では、フルタの顔がスーパーインポーズ(上書き)されたニセフルタの顔が、インターネットのSNS上に頻出するようになっていった。その顔は誰からともなくタローと呼ばれるようになった。「タローを探せ」というインターネットのゲームにまで発展し、世界中で評判となっていった。タローはテレビ界にも進出し、コタローやザ・タローなど様々なタローが登場して社会現象となった。さらに、あろうことか動物の顔がタローの顔で上書きされた。そしてついに、インターネットの動画のすべての顔がタローの顔によって上書きされてしまった。防犯カメラに写った人もすべてタローになったので、防犯カメラはその任を果たさなくなった。タローブームはタロー仮面というかたちで小学生にも影響を及ぼした。そうした一連の騒動の中で、フルタは愚痴を零しつつも、堅実な日々を送った。一方、かれの同居人である、アダルトビデオのクィーンと呼ばれるクララは、密かに何かを画策しているようであった。タローブームはどこに向かって収束するのであろうか。