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龍殺し

 落石のダメージが思ってたより入っていたようでヘルメスの姿をその真紅の瞳に据えた瞬間、龍は最大の咆哮を放った。ヘルメスはその衝撃に耐えながらも突き進み暴れまわる龍は四方八方に炎のブレスを放ち地形を変形させるがその隙間を縫ってヘルメスは駆け回り隙をついては斬撃を入れる。その間に準備が整え龍飼いの笛を構えヘルメスに合図を送る。


「いくぞ!ヘルメス!」

「ああ!」


 龍飼いの笛に口をつけ息を吹き込み、か細くも透き通る音を出す。それに反応した龍は耳を劈くような咆哮を放つ。ヘルメスはその咆哮で起こる一時的な麻痺を舌を噛む痛みで回避しその首元へと刀を流す。その一撃で龍の首は綺麗に飛び頭が在った場所からは辺り一面を真っ赤にする程の血の雨が降り注いだ。


「お疲れさん」


 疲れた様子で歩いて来るヘルメスにシーフは労いの言葉を掛ける。


「ほんとだよ、産まれてから十八年間冗談抜きで三本の指に入る程の魔物だったよ。これはフォータさんに沢山報酬を貰わないと気が済まないよ……」


 三本が一体何なのか気になるものだが疲れている様子を見て追及は辞めておく。俺を襲ったウルスとか言う熊もどきはランクインしているのだろうか。


「それにしても龍飼いの笛に魔力を通させない効果があるなんて良く分かったね。僕が吹いた時には気付かなかったよ」


 感心した様子のヘルメスに対し俺はそんなんじゃないと首を振り否定する。


「別に分かってた訳じゃねーぜ。あいつの首に何か刺さってたろ?多分あれ賊が龍を操るのに使ってたんだと思うけど、おかしいと思わないか」

「何がだい?魔道具でも無いとあんな狂暴な龍操れないんじゃないかな。それこそ龍飼いの笛とかさ」

「そうじゃない。どうやってお前の刀でも傷付かない首の鱗に刺せるんだよ」


 ヘルメスは会得がいったと言わんばかりの表情で続きを催促してくる。


「いや、だからな。何か鱗を柔らかくしたりする様な効果がある物とか魔法とかがあるんじゃないかって思ってそれがこの龍飼いの笛だったらいいなぁ的な……」

「じゃあ確証は、無かったのかい……」

「でも当たってたし良いだろ?まぁあれは暴走させて魔力操作をさせないって感じかな」


 この旅で一番の笑みを見せ誤魔化す。ヘルメスは大きく溜息ををついて


「シーフ君らしいね……まぁ勝てたんだし結果良ければ、だね」

「だろ?」


 調子がいいなといつもながらの態度にヘルメスは苦笑いを浮かべてその場に座り込む。二人で座り込んで先の戦いを振り返っていると何かが地面を駆ける音が大きくなりそちらの方向を眺めているとワーゲンの客車から小さな身体を乗り出し手を振っているエナベルの姿が確認できた。


「大丈夫かー生きとるかー」


 ワーゲンのせいで身体を大きく揺らし叫んでいる様子を見て二人は


「あのツインテールはエナベルちゃんだね」

「そこで認識すんのかよ」


 と呑気に話す。そんなエナベルの心配そうな声を聞いてやっと戦いが終わったのかと実感が二人を襲い地面に寝っ転がるのだった。



名前:Hermes

職業:旅商人

天啓:幸運

魔法:無し

剣技:剣島流 王国流 

 力:965

速度:470

魔力:360

知力:190


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