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今日のもぐもぐ シリーズ

小豆カボチャ

作者: リリー・ボードレール

 一人暮らしだと食事が手抜きになりやすい。メニューもワンパターンになるため飽き飽きしてくる。

 特に今日は仕事の移動中に甘味処の前を通ったときにぜんざいを見てしまった。それからというもの何をしようがぜんざいが頭から離れない一日を過ごしての帰宅である。

 確か食糧庫に小豆のレトルトがあったはず。ガサガサ。あったあった。

 それからお餅を冷凍庫から出してっと。

 そうだ、ぜんざいを作っている間に何かおかずを作るか。

 野菜室を開けるとカボチャがドーンと中央を陣取っている。しかも心なしか元気がない。

 小豆カボチャって美味しいよね。何事もそこそこに、の心持ちでいる私のいい加減な面がひょっこり顔を覗かせる。小豆カボチャにするならぜんざいになるはずだったお餅は煮すぎて液状化する一歩手前くらいが良いな。

 想像すると美味しそうだ。試してみるか。カボチャを食べやすいサイズに切って鍋に入れて少なめの水を入れてレトルト小豆を投入。火をかけてぐつぐつぐつ。

 一日中考えていたぜんざいとは少し違うが、甘い香りが食欲を刺激する。

 今のうちに塩昆布と梅干しを豆皿に盛り付けておこう。

 冷凍餅は少し解凍してから角切りにしてトースターでほんの少し焼き目を付けておく。

 カボチャを竹串で突いて外側に火が通っているようであればお餅を投入。

 私は世の素敵女子のようにはなれそうもない。そもそも私に素敵女子スタイルを求める者がいないけれどね。

 ひよこのゆで卵が花形に切ったキュウリとアボガドの隣にちょこんと座っていて、メインはハートのニンジンが入っているクリームシチューを作ってくれる彼女って素敵。私も欲しい。

 小豆に絡んだカボチャにお餅がもたれかかっている可愛げのないこの料理も愛おしくて好きなんだけどね。ふふふ。

 ぐつぐつ煮ること五分。カボチャに完全に火が通ったのでお椀に盛り付ける。

 小豆汁はほとんどなくなってしまったが念願のぜんざい(inカボチャ)なので良しとしよう。

 温かいほうじ茶を急須で入れて準備完了だ。それでは頂きます。

 箸でホクホクカボチャを切って小豆と餅を乗せて、あーん。アチチ。

 レトルトの小豆パックの中に砂糖が入っていたので調味料は足さなかったが正解だ。

 十分にぜんざい欲を満たしてくれるあんこ感と甘味だ。

 昆布をモグモグ。塩気があんこの甘さを更に引き立ててくれる。

 梅干しポリポリ。んー、今日も仕事を頑張った自分へのご褒美だな。 

 食後のお茶がまた美味しいのだ。




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