ドローネの犯行
夜も更けて、お母さんが寝るらしい。
「ライネ、おやすみなさい・・・。」
と語りかけるようにお母さんは私のいる所を撫でる。
お母さん、おやすみなさい。
そんな気持ちを抱いて私も眠りについた。
眠った時からちょっと経った時、ガタッと音が聞こえた。
どうしたんだろう。と起きてしまった私は耳を澄ませる。
そうすると、
「ふふふ、こんなにぐっすり寝ちゃってまぁ、本当に馬鹿な姉様。」
お母さんのことが、心底憎々しいというようなドローネさんの声が聞こえた。
「ねぇ、姉様。あなたって私の全てを奪ったじゃない。だから、私もあなたのすべてを奪ってもいいでしょう?ね?」
あははっと笑ったドローネさん、いや、ドローネは見えないけどかなり狂ってることはわかった。
「姉様のこれから産まれてくるたーいせつな子供が流産しやすい闇の力を持って産まれてくるなんて、最っ高じゃない?」
ねぇ、とドローネはまた呟く。
「姉様はどんな反応をするのかしら。泣いちゃう?それとも絶望する?ああ、想像しただけでこんなにも楽しいの。」
ドローネが胎内にいる私の体の真上に手を当てたのを感じる。
次の瞬間、激痛が走った。
ビリビリと体が痙攣しているのがわかる。
いたい、いたい、いたい、いたい、いたい。
私の体の中に何かが入り込んでくるのがわかる。
これが、闇の力?わからない。
身体が拒絶反応を起こしている。
いたい、あつい、決して大きくない全身に何かが駆け巡っているのがわかる。
「・・・あっ、いぁ、は・・・・・・ぁ・・・ぐ・・・」
お母さんの口からすごく苦しそうな声が聞こえる。
きゃはははははっと甲高く笑うドローネ。
「いい気味だわ!!!苦しめ!!地獄に落ちろ!!!あはははははっ!!!」
お前が地獄に落ちろ!!!!
ドローネに殺意を覚える。
絶え間なく続く激痛により、頭が朦朧とし始めた。
「・・・ぁ、ぐ、・・・ぃあ・・・・・・・・・」
お母さんの喘ぐような声を聞いて、視界がシャットダウンした。