お姉様の誕生日 2
「お誕生日おめでとう、私の愛しい愛しいローゼ。」
ふぁっさぁという効果音が着きそうなほどご立派な赤い薔薇の花束を持ってアルフレッドとオーガは現れた。
皆が見惚れるような笑顔と共にアルフレッド野郎はお姉様に花束を渡した。
お姉様はうっとりしながら嬉しそうに微笑んで「ありがとうございます、殿下・・・。とっても嬉しいですわ。」と仰った。お姉様可愛い。
「うん、君にそう言ってもらえると贈りがいがあるよ。・・・あぁ、これが終わりじゃないからね?
君に送りたいプレゼントはまだまだあるんだ。」
まだあんのかよ・・・さすが王太子様だな、と心の中でツッコミを入れてしまう。
2人がイチャイチャしだしたので、思わず遠い目になってしまった。しょうがないよね、うん。
オーガがお姉様にプレゼントを渡した後、お姉様とアルフレッド野郎は2人で仲良く薔薇園に行った。
残った私とオーガは目を数秒間合わせて二人同時にやれやれと肩を竦めた。
「あんた、アルフレッド殿下のこと大好きだそうだけど追いかけなくて良かったの?」
「それはお前にも言えることだろ。」
「・・・あのイチャイチャ空間の中に自ら入りたいとは思わない。」
「それについては激しく同意する。」
クスッと笑って2人で仲良くお茶を飲む。
「お姉様達、何してんだろうなぁ・・・。」
「兄上のことだから薔薇を手折ってローゼ嬢の耳に刺し、「薔薇も美しいけど・・・君の方が数倍美しいよ、ローゼ・・・」とかおっしゃるんじゃないか?」
「wwwwww似てるwww声真似やめてwww似てるからwwwwww面白すぎwww」
「あぁっ、ローゼッッッッ!!!!!!」
「やめろっつってんだろwwwwwwwww」
自ら身体を抱きしめて恍惚な表情をしながらアルフレッドの真似をするオーガに腹筋が崩壊する。
・・・酷い目にあった。
その後、たわいもない話をして時間が過ぎていった。
すると突然、オーガが真剣な顔をした。
「・・・なぁ、前に言ったこと、少しは考えてくれたか・・・?」
「?なんのこと?」
「だから!婚約者の話だよ・・・。」
「????あれは、あの時終わったはずでは・・・?」
「バカかお前は!!終わってるわけないだろ!!」
心外だ!!とばかりにオーガはぷっくりと頬を膨らませてこちらを睨んだ。
「ごめんごめん、もう終わってると思ってたよ。」
「ごめんごめんじゃない!!
・・・はぁ、ったく。俺がこんなにいっぱいいっぱいなのにお前は余裕そうで羨ましいばかりだぜ。」
椅子から立ち上がり、オーガは私の横に来た。私もそれに合わせて横を向く。
視線をちょっと斜めにしてからオーガはこちらを真っ直ぐに見た。
「俺は、前も言ったがお前に惚れている。
気付いたのはかなり前だが、俺に物怖じせずに突っかかってこれるのはお前ぐらいだし、お前に以外に許す気はない。
・・・最初こそ、絶対にわかりあえないと思っていたが・・・その芯の強さと優しさ、努力家なところも全てが好きだ。
お前みたいないい女、そうそういない。
よって、お前に惚れる男はこれからバンバン出てくるだろう。」
ふぅ、と一区切り置いて、オーガは私の手を取って懇願するように頬に手を擦り寄せた。
オーガのサラサラとした美しい金髪が手に触れ、蜂蜜色の見事な金目が私を射抜く。
「・・・俺は、お前を誰にも渡したくない。」
だから、というように上目遣いでオーガはこちらを見るものだから思わず言葉に詰まってしまった。
・・・オーガって、こんなキャラだったっけ・・・。
「・・・うん。オーガの気持ちはもう十分わかった。ありがとう。」
「!じゃあ・・・!!!」
「でも無理なものは無理なの。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「前も言ったと思うけど、今もこれからもお姉様を守ることで手一杯なの。
それに私、結婚願望ないし。
第2王子の婚約者になったら将来絶対オーガのお嫁さんにならなきゃいけないじゃん。私はやだよそんなの。
1人でうはうはしてたいもん。」
「お嫁さん・・・ライネが、俺のお嫁さん・・・」
私がそう言えば、壊れたようにそう呟くオーガ。
「ちょっと?おーい、私の話聞いてる?」
ぺちぺちと頬を叩くと、オーガはハッとしたようにこちらを見た。
「お、おう。聞いてるぞ。」
「うん、ならいいんだけどさ。
・・・まぁ、というわけで私は無理です。
諦めてください。
私みたいな女に構っているよりは、もっと可愛い女の子探して婚約者見つけた方がオーガのためになるよ。」
そう聞いた途端、オーガは私をぎゅっと抱きしめた。
「やだ。お前が1番可愛い。お前しか興味無い。」
彼はそう言うと、とても愛しい、とばかりに私の髪を優しく撫でた。
唐突すぎるでしょこいつぅぅううう!!!
どこでスイッチ入ったわけ!?!?!?
本当に誰だこいつ。こんなに、ドロッとした目で愛しげに私を見る男なんて、知らない。
思わず顔を赤くすると、
「ライネ、真っ赤になってる。可愛い。好きだ。」
チュッと額に口付けられたので全力腹パンをお見舞いして逃げました。
「待て!!!」と声をかけられた気がするが、知らん。
侍女には体調が悪いと告げて部屋に戻った。
オーガとアルフレッドが帰った後、お姉様が私の部屋にきて、「オーガ殿下に熱烈な告白をされたみたいね?」とニマニマされたので「やめてください!!」と思わず叫んでしまった。
本当に恥ずかしい・・・。
夕食の時もお父さんにニマニマされながらおちょくられたし・・・最悪だ・・・。
お姉様もからかいやがってぇ・・・
でも、小悪魔なお姉様も好きです・・・。




