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悪役令嬢の妹ですけどなにか?  作者: トマッティ
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お姉様のお披露目会 2


あの後、私とオーガは礼装に着替えて先にお姉様のお披露目会を行う会場に行き、お披露目会が始まるのを大人しく待っていた。

ここで、なんとなく流れに乗られてオーガにエスコートされたのほんと憤慨です。

エスコート文明滅ぶべし。


柔らかなソファーにオーガと並んで腰をかけ、座っていると…


「主催ファルベルン公爵家、ジーク様、並びにローゼ様、我がファルナー王国第1王子アルフレッド殿下のご入場です。」


という声が高らかに告げられたので、素早く立ち上がる。

まず初めにお父さんが堂々と入ってきた後、アルフレッドにエスコートされながらお姉様が入場なされた。





……お姉様は実に凛とした、見るものを圧倒するような表情で入場された。


お姉様が身に纏っているドレスは、アルフレッドの瞳の色である青を基調としたレースを一枚、ふわりと纏わせているドレスだ。

青色のレースに重ねるようにして金色のレースが上手い具合にマッチしていて、とても美しい仕上がりとなっていた。

アルフレッドが身に纏っている礼装もお姉様の衣装と合わせたようなもので、これもまた上手い具合にお姉様を引き立たせていた。


お父さんとお姉様達が会場に設置されている壇上に上がり、挨拶が始まる。



「この度は、我がファルベルン家の愛娘であるローゼのデビュタントにご来場いただき、誠にありがとうございます。」


お父さんが一礼してそう告げると、お姉様が一歩前に出てカーテシーをした。


…さすがお姉様、といったところか…。

お手本のように完璧なカーテシーだ。




「ファルベルン公爵家が娘、ローゼ・ファルベルンでございます。

本日は私のデビュタントにお集まりいただき、誠にありがとうございます。

私としても、こんなにも沢山の方々にお集まりいただき嬉しい限りでございます。

これから社会に出る身として、より精進して参りますので、どうかよろしくお願い致します。

改めまして、本日はご来場いただきありがとうございます。

…それでは、楽しい夜をお楽しみください。」



お姉様はそう述べた後に微笑み、またもや美しいカーテシーをした。

大きな拍手が送られ、お姉様のお披露目会、デビュタントが始まった。


お姉様とお父さんのところにはぞろぞろと人が集まり、挨拶をしていた。

遠目からお姉様の様子を観察すると、お姉様は始終微笑んで愛想よく挨拶をそつなくしている。


私たちのところにもお姉様に挨拶を終えた人たちが挨拶にきたので、笑顔を作り挨拶をする。

.....そろそろ表情筋がピクピクしそうだな、と思ってきたところで挨拶の行列が終わった。



「(あー、やっと終わった…)」


ふぅ、とこっそり息を吐き出すと、オーガは「もう疲れたのか…?お前にしては意外だな。」と失礼なことを言ってきたので弁慶の泣き所を強く蹴ってやる。

オーガは悶絶しながらこちらを睨んできたのでハッと嗤った。









「……はぁ、お前ってほんと可愛くないよな…。」


悶絶から抜け出したのか、オーガはジト目でそう言ってきたので、


「悪うございましたね、可愛くない女で。生憎だけど、私に女性的な可愛さは求めない方がいいわよ。」


そう答えるとボソボソと「別に、悪いとは言ってねぇだろ…」とかなんとか言ってきたので「ボソボソうるせぇな」と小声で返すと、「…ッ!!ほんと、そういうとこだぞ!!!」と逆ギレされた。なんでだよ。





…その後もお姉様のデビュタントはつつがなく進み、解散の時間になった。

お姉様が閉会の挨拶を述べ、会場に来ていたお客さん達は次々に帰っていき、最後の1人を見送ってから私達も屋敷に戻った。

屋敷の門前でアルフレッドとオーガを見送り、私達は家族揃って家に入った。

ウォールや他の侍女執事達が出迎えてくれて、「あぁ、家に帰ってきたんだな、」という感慨深い気持ちになった。




自室に入って侍女に手伝ってもらいながら礼装を脱ぐ。

ほんと、なんでこんなにも脱ぎにくいんだろうね、ドレスって…。


自室に備え付いているお風呂に入り、寝巻きに着替えてベットに寝転がっていると控えめにコンコン、と扉をノックされて「ライネ、起きているかしら…?」というお姉様の声が聞こえたので秒速、いや、マッハで部屋の扉を開ける。






「お姉様、こんな夜にどうなされたのですか…?」


思わずそう聞くと、お姉様は申し訳なさそうに眉と視線を下げた。


「ご、ごめんなさい、こんな深夜に迷惑だったわよね…。

少し、ライネに言いたいことがあって…。」


「いえ!!!!!迷惑だなんてそんな…!!!私は全然迷惑じゃないのですが、お姉様がお疲れではないのかな、と思っただけなので…!!!

どうぞ、部屋にお入りください。」


お姉様をエスコートして部屋に入らせる。

自室に備え付けてある2人用のソファに腰をかけていただいて、私も隣に座った。


「…それで、お話とは…?」


そう尋ねると、お姉様はギュッと洋服の裾を掴んで話し始めた。私のお姉様まじかわいい。



「…ライネに、感謝を伝えたくて。

デビュタントが始まる前にライネが言ってくれた言葉のおかげで、今日つつがなく終えることができたのよ。

沢山の人を前に緊張でどうにかなりそうだった私は、視界の端にライネ…貴方を見つけたの…。

…それで、貴方の言葉を思い出して…緊張なんて、吹っ飛んでしまったわ…。

本当に、ありがとう。

貴方のおかげよ。」





そう言ってお姉様は私に抱きついた。



「(へっ!?!?!?はっ!?!?ホァッ!?!?!?お姉様尊いお姉様尊いお姉様尊いお姉様尊いお姉様尊い生きててよかった本当に生きててよかった)」


突然のことで頭がオーバーになってしまった私は、言葉が出なかった。


…そっとお姉様は私から離れて、それはもう美しく微笑み、「ライネ、大好きよ。」と囁いた。
















「〜ッッッ!!!!!!わ、わ、私も、私も、私も大好きですお姉様あああああっ!!!!!!!!!」


思わず感極まって泣き出してしまった私に、お姉様はよしよしと撫でてくださった。

お姉様大好きです、ばぶばぶ。



…ほんとうに、お姉様が愛おしすぎてどうにかなってしまいそうだぜ、旦那…。



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