胎内にて
行数短くて本当にすみません・・・。
パチッと暗いところで意識が浮上した。
・・・ん??????私、死んだんじゃなかったっけ?何が起こってるの。全くわからない。
とにかく、暗いとても狭い場所にいることはわかる。
なんだか怖いな、と身動きをすると、
「あら、ライネが動いてるわ。」
と、どこからか優しげな声が聞こえた。
「ふふふ、元気なことはいいことですわ、奥様。」
と、また別の声が聞こえる。
「本当ね。無事に産まれてきてくれると嬉しいわ。瞳や髪の毛の色はジークと私、どちらに似るのかしらね・・・とっても楽しみだわ。」
・・・なるほど、つまり私はこの優しい声の人の赤ちゃんとして胎内にいるんだな。
通りで、暗くて狭いはずだ。
そして、私の名前は〇〇ではなくライネと呼ばれている。
・・・・・・きっと私は、自動車に跳ねられて、転生したんだろう。少しだけ、切なくなった。
優しげな声の人、いや、お母さんは私をさも愛おしげに胎の上から撫でてくれている。
悪い人じゃなさそうで良かった。
「・・・奥様、今日はドローネ様がいらっしゃる日でございます。」
「あぁ、そうだったわね。」
「はい。・・・奥様の体調を考慮しまして、ドローネ様にはこちらの部屋まで足を運んで頂くことになりましたので、把握をお願い致します。」
「そうなの・・・。ドローネには、悪いわね。」
「・・・仕方ありません。奥様の出産日が近付いてきておりますので、無理はできません・・・。」
「わかったわ。・・・配慮をどうもありがとう。」
ドローネが誰だか分からないけれど、お母さんの知り合いらしい。
・・・でも、ドローネ・・・ライネ・・・どっかで聞いたことがあるような・・・まぁ、いいか・・・。