第2王子
「あ、そうそうライネ。アルフレッド殿下が久しぶりに弟君と今日お昼頃にいらっしゃるそうよ。」
と笑顔で話されるお姉様。
そして絶句する私。
そんなシュールな光景がそこに出来上がっていた。
♢♢♢
自室に帰った私は、はぁーとため息をつきベットに倒れ込んだ。
まじか・・・このまま一生こなくていいと思ってたのに弟さん(攻略対象)も連れてくるとか・・・。
私はお姉様の婚約者であるアルフレッドが苦手だ。
薄っぺれぇ笑顔を貼り付けて笑う彼の全てに寒気を感じる。
あんな薄っぺらい笑顔にときめいているお姉様が理解できない。
あんな野郎と並べるように王妃教育としての勉強を頑張るお姉様の気持ちがわからん。
それに弟と来るとか・・・どうせ第2王子だろ・・・。
めんどい・・・。
ベットから起き上がって先日ガリガリ書いたノートをめくる。
第2王子の名前は「オーガ・ファルンツ」
私と同い年だったはずだ。
兄であるアルフレッドは金髪碧眼であるが、こいつは金髪金目だ。
蜂蜜色の、肉食獣を連想させる金色の目だったことをよく覚えている。
たしか、こいつはブラコンだった。
ゲームでは兄であるアルフレッドの完璧さに畏怖して最初はいじけていたようだったが途中から兄を神のように奉るようになった、との話だ。
うん、普通にきめぇな。
お姉様みたいなパーフェクトな御方だったら神として敬えるだろうが、あいつはない。
あの腹黒野郎はだめだ。見る目がない。
あいつは完全に外見詐欺だから。
・・・とりあえず、お昼まで昨日エドワード先生から出た宿題をしよう。
どっちにしたって会うんだし、なるようになるだろう・・・。
そう、現実逃避って大事だよ、HAHAHA!!!