第四話:偽り
「ねぇ…ほんとに、いるの?」
「いるわよ。毎日遊んでるの見るもの…。」
私は、李子が毎日男の人と遊んでるなんて思えない…。
あんなに真面目で、勉強の出来た李子が…。
「…いた…!」
「え…?そんなっ…。」
李子…ほんとだったの…?李子が毎日男の人と…?
「やっぱり…今日も男の人と遊んでるわ。ついてってみよ!」
「え…でも…。ま、待ってよ!沙紀…!!」
速いよ…待って…!
痛っ…。沙紀、急に止まらないでよ…。
…ここ…駐車場…?
「ねーぇ…私のこと…好きにしていいよ?」
李子の声が聞こえる…。『好きにしていい』って…まさか…。
「じゃあ、遠慮なくイかせてもらうよ…。」
男の人が、李子の服を脱がした。
李子が男の人に抱きつき、キスした。
「いやっ…。」
私は、思わず声を出してしまった。
「ちょっ…樹里!」
「…誰?」
どうしよ…バレる…!
「樹里…?」
「り、李子…。」
「なんで…あんたが…?」
「いや、たまたま…。」
「…あなたは?」
「あ…私は…樹里の親友。」
「へぇ…樹里の親友ねぇ…。こいつの友達なんて…よほどのモノ好きなのね…。で、名前は?」
「…椎名…沙紀。」
「椎名沙紀…?もしかして、『SHI-NA』の社長の娘!?」
え…?なんで李子が知ってるの…?
「はい、そうですけど…。」
「嘘…。なんで社長令嬢が樹里なんかと…?」
李子…。やっぱり、そんな風に…。
「樹里と仲良くしちゃいけないって言うんですか?」
「……。」
「椎名…沙紀…。ちょっと…いい?」
男の人が沙紀に話しかけた。
「えぇ…。」
あの二人…何話してるのかな…?
沙紀が驚いた表情でこっちを見てくる。
「嘘…。」
え…!?沙紀は、何か呟きながら走り去っていった。