第二十五話:死 〜前編〜
衝撃の結末…に、近づいてきましたッ><
<帰り道>
沙紀「ねぇ、樹里…。さっき、佐野先生に言おうとしたでしょ?」
ドクン…
樹里「い、言おうとなんかしてないよ。」
沙紀「…そう。それならいいけど。」
樹里「…………。」
沙紀「ねぇ、樹里………ちょっと、着いてきてほしいところがあるの…。」
樹里「…え……でも、今日は…ちょっと…用事があって……だから…。」
沙紀「断る気?」
樹里「………分かった……。どこ……?」
沙紀「いいから、着いてきて…。」
……どこだろう…?沙紀が行きたいところって…。
沙紀「……着いたよ、樹里。」
樹里「……!!!こ……ここって……」
沙紀「そうよ。仁香が死んだところ。」
そう、ここは、仁香が飛び降りた屋上…。
樹里「ここで……何を………?」
沙紀「ちゃんと…仁香にあやまって……樹里…。」
樹里「…何を……?」
沙紀「樹里が…仁香をいじめていたこと……仁香を自殺に追い込んだこと……。」
樹里「だッ……だから、わたしは仁香をいじめてないのよ…!!!!いじめられていたのはわたしなんだよ……!!」
沙紀「…そんなのウソ。」
樹里「ウソじゃないって言ってるじゃない……!!!信じてよ……沙紀…。」
沙紀「仁香は…沙紀だけに言ってくれたんだから…!!!ウソつくようなコじゃないのよ…!」
樹里「ほんとよ…!!ほんとなの!!ほんとに、わたしがいじめられてたの…!!」
沙紀「………ほんと…なの……?」
樹里「ほんとだよ…。」
沙紀「………。それじゃあ、沙紀が樹里のことをいじめた理由が無くなっちゃうじゃない…。」
浜田先生「それ……本当なのか?椎名……。」
え…?浜田先生……?柴咲さんも……。
沙紀「…浜田…先生………。」
浜田先生「まさか…椎名が福山をいじめていたとは……。」
沙紀「…くッ………くそッ……なんで……。」
浜田先生「さっき…椎名が神楽坂のところに行った時…保健室にカッターを落としていっただろ…?それで、椎名が神楽坂を殺したんだって…。」
沙紀「………ッ。」
浜田先生「なぁ、椎名。正直に言ってくれないか?どうして殺したんだ?」
沙紀「来ないでッ!!!」
ドンッ
樹里「いッ……イヤ……。」
沙紀はすばやく浜田先生からカッターを奪い取り、わたしに向かって突き出した。
沙紀「それ以上近づいたら、樹里を殺すわよ…。…フフ……あなた達にとっては、生徒の命なんかより、犯人確保のほうが大事かしら…?」
浜田先生「椎名。もう子供じゃないんだから、ふざけるのはやめなさい。」
沙紀「沙紀は子供じゃないし、ふざけてもいないわ。本気よ。」
浜田先生「やめなさい。椎名。落ち着くんだ。」
樹里「はッ……浜田先生……!わたしのことはいいから…犯人確保を…優先してください…。」
浜田先生「ふ…福山……しかし、そういうわけには……。」
樹里「いいんです!いいから、早く沙紀を……。」
浜田先生「………分かった……福山…。」
先生はわたしたちのところへ、ゆっくりと近づいてきた。
沙紀「来ないで!!言ったじゃない…!樹里を殺すって…!!」
樹里「先生…!!!早く………!!!」
沙紀「来るなーッ!!!」
グサッ
樹里「……なんで………?」
ポタ…
樹里「なんで…柴咲さんが………。」
葵「…ごめん…な……福山…こんなことしかしてあげられなくて…。」
樹里「しゃべっちゃダメ!…どうして……わたしのことかばったり……。」
葵「あおい…福山と…仲良くなれて…本当に…嬉しかった…。でも、何もしてあげられなかった…。」
樹里「だからって…わたしのこと…。柴咲さんは何にも悪くないのに…なのに…どうして柴咲さんがこんな目に合わなくちゃいけないの…?」
葵「…福山…。」
樹里「…な…に……?」
葵「福山……あおいの分まで…精一杯生きて……お願い…。」
イヤよ……柴咲さん…死なないで…!!!
沙紀「柴咲……。なんで………。ヤダ……ごめん…なさ…」
沙紀は手すりに手をかけ、飛び降りた。
樹里「さ……沙紀……!!!!!」
浜田先生「椎名…!!」