第二十四話:疑惑
佐野先生「おい、柴咲。神楽坂を殺したのは、お前じゃないのか?」
葵「違います。わたしは、やってません。第一、証拠はあるんですか?」
佐野先生「じゃあコレはなんだ?神楽坂の遺体の横に、お前の制服のリボンが落ちていたんだぞ?こんなに決定的な証拠はない。神楽坂を殺したのは、柴咲葵、お前なんだろ?」
葵「…違います。」
佐野先生「じゃあ、このリボンは何なんだ?どうして神楽坂の横に落ちていたんだ?」
葵「それは……さっき……。」
佐野先生「さっき?」
葵「………。」
佐野先生「言わなきゃ分からないだろ?怒らないから、正直に言ってみろ。」
葵「本当に、怒らないんですか?わたしの言うこと、信じてくれますか?」
佐野先生「……あぁ。」
葵「実は……さっき…保健室のベッドで寝ていたら……神楽坂さんが来て……。」
佐野先生「で?」
葵「ヤられたんです………。」
佐野先生「…は…?」
葵「リボンを外されて…制服の…ボタンを外されて…胸を触られて……。」
佐野先生「…ははっ。そんなことあるわけないだろ。正直に言えと言っただろ?」
葵「正直に言いました…!」
佐野先生「あるわけないだろ?あの学年一の優等生が、保健室でセクハラ?ありえな……」
樹里「柴咲さんが言ってるコト…本当です……。」
佐野先生「…福山……。どういうことだ?」
樹里「わたしも…されたんです……。」
葵「……福山…。」
佐野先生「………仮に本当だとしても…柴咲が犯人である確立が高くなるということだろう?保健室でセクハラされて、その怨みで刺した、とか。」
樹里「佐野先生!どうして、もっと生徒を信じてあげないんですか?」
佐野先生「…福山。どうして、そこまで柴咲をかばう?」
樹里「わたし……さっきは言わなかったんですけど……実は…」
バンッ
…え……!?
沙紀「樹里…まさか、言うつもりじゃないわよね?言ったらどうなるか…もうとっくに分かってるデショ?」
ドクン…
佐野先生「あれ?椎名じゃないか。どうした?」
沙紀「いえ、福山さんと一緒に帰ろうと思って。ね、樹里♪」
樹里「え……」
沙紀「ね?」
樹里「…はい……。そういうことなんで、もう帰ります。さっきのことは、もう忘れてください。」
佐野先生「はぁ?おい福山、ちょっと待て…!」
沙紀「佐野先生?しつこく問い詰めると、余計に言いたくなくなるものですよ?彼女から言ってくるのを待ってみてはどうですか?」
佐野先生「………。」
沙紀「さ、樹里。帰ろ♪」
樹里「う、うん……そうだね…。」
逆らったら、殺される……