第二十三話:事態
今回は、沙紀の腹黒さが全開です。
沙紀はウソ泣きが得意ですからね…。
でも、沙紀もここまでやるか!?ってことをサラッとしちゃうから…書いてる私がコワイですw
<保健の授業中>
…次は…わたし……
イヤ……絶対………。死にたくなんかない……。
ガラッ
…え……?
浜田先生「永崎先生、授業中すみませんが、緊急事態です…!大至急、保健室にお願いします…!」
永崎先生「え……?一体、何が……?」
浜田先生「いいから、とにかく保健室に…!!!」
永崎先生「えぇ!?…あ…はい。分かりました。…じゃ、じゃあ、みなさん自習をしていてください…!」
浜田先生「大丈夫です。永崎先生。とりあえず、生徒達には下校させます。」
永崎先生「えぇ…!!!?どうしてですか…?」
浜田先生「先ほど決めたことですから。この学年以外は皆、下校させました。とにかく、一刻も早く下校させねばなりません。」
永崎先生「…分かりました。では、わたくしは保健室に……。」
…きっと…神楽坂さんの変わり果てた姿を見つけてしまったんだろう………。
でも、どうして神楽坂さんが死ななければならなかったのか……。
ありえないよ…。どうして本気で好きな人を殺せちゃうの…?
浜田先生「それから!」
………なんだろう…?
浜田先生「柴咲葵…!」
葵「……なんですか…?」
浜田先生「君だけは、帰らずに今すぐ職員室に来ること。分かったか?」
葵「……はい…。」
…え……?
なんで……?どうして、柴咲さんが呼ばれるの……?
……はっ
神楽坂さんが殺された時、神楽坂さんの横には柴咲さんの制服のリボンがあった…。
平瀬高校の校則で、リボンには裏に名前を付けなくちゃいけない…。
それを、先生たちが見つけたのかな………?
沙紀「先生!」
え?
みんながいっせいに沙紀のことを見る。
浜田先生「何だね?椎名くん。」
沙紀「あのォ……こんなコト聞くのもどうかとは思うんですけどォ…一体何があったんですかァ?」
さ、沙紀……。
自分が疑われないようにするための演技……。
浜田先生「……そうだな。君たちには、言っておくべきかな…。実は………隣のクラスの神楽坂涼くんが…保健室で亡くなりました…。」
ザワ……
一瞬、教室がザワついた。
無理もない……。同じ学年の人が…亡くなっただなんて…。
沙紀「……え………?せ、先生…ヤな冗談…やめてくださいよ……。涼が死ぬなんて…。ねぇ、先生!ウソでしょ!?ウソなんでしょ!?お願い…!ウソって言ってよ………。」
沙紀が泣き出す。…これも、演技だよね…。よく、演技でここまで泣くことが出来るよね……。
わたし…犯人知ってるのに…ほんとは、言わなくちゃいけないのに…。
でも、言ったらきっと、本当に殺される……。
それだけは、絶対にイヤだ……。
浜田先生「とにかく、柴咲くん以外は全員帰るように!」
沙紀「せ…先生…!最後に一度、涼に会わせてください…!お願いです…!!!」
浜田先生「…分かった。行きなさい。」
沙紀「…ありがとうございます…!!」
沙紀は走って教室を出て行った。
その後、わたしたち生徒は、柴咲さん一人を残して下校した…