第十四話:決断
沙紀「どう?決断は出来た?」
……沙紀…。
樹里「まだ…出来てない。」
沙紀「あら。早く決めていただける?早く決めないと、沙紀が勝手に決めちゃうゾ♪」
ゾク……
樹里「沙紀が決めるってことは…柴咲さんにターゲットが向くってことでしょ…?」
沙紀「フフ…。よく分かってるじゃない♪そうよ、柴咲葵が沙紀の、次のターゲットになるの…。」
樹里「やめてっ……お願いだから…柴咲さんをターゲットにするのだけは…。」
沙紀「ってことは…柴咲を一晩トイレに閉じ込めておくってことね♪」
樹里「……でも…」
沙紀「嫌とは言わせないわよ。だって、次のターゲットは柴咲になるんだから♪」
樹里「…分かってるけど……。」
沙紀「なら、ちゃんとやってよ。もしもしくじったりしたら、ターゲットは柴咲葵になるから。忘れないでよね♪じゃあ、今から計画実行♪♪」
柴咲さんを一晩トイレに閉じ込めておくか、沙紀のターゲットにするか…。
沙紀のターゲットになるよりは、一晩トイレに閉じ込めて…。
…ダメよ、柴咲さんをトイレに閉じ込めておくなんて…。
……夜にひとりで学校に忍び込んで助ければ…。
うん。そうすればいいんだ。
…それを、沙紀にバレないようにすれば…。
でも…もしも失敗して…沙紀にバレてしまったら…。
…ううん。今はそんなこと考えちゃダメ。
もっと、よく考えなくちゃ。
……でも、なんだか嫌な予感がする…。
特に根拠は無いけど、私は沙紀が何かを企んでいる気がしてならなかった。