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1日目

〜転校生〜


もう、新学期早々から不幸なこと続きで困っちゃう!

私は気持ちを入れ替えて、新しい教室に入り、担任の挨拶を待っていた。


「いきなりで悪いが、今日はお前らに新しい仲間を紹介するぞ!」


担任がそう言うと、転校生を教室に招きいれた。


転校生って男の子かな?


−–ガラガラ、


「おぉー!」


教室がざわつく。


「はじめまして村咲(むらさき) 式部(しきぶ)といいます。よろしくお願いします」


転校生は見るからに美男子で、教室中の女の子たちが虜になってしまうほどのルックスの持ち主だった。


もちろん照子も…


キャー!結構イケメンじゃない!源氏にも劣らずのイケメンだなんて、新学期から良いことがありそう!


「それじゃ、村咲の席は麗蘭の横だ」


うっそーん!超嬉しいんですけどー!


「改めてはじめまして、村咲といいます。よろしくね」


村咲は手を差し伸べ、私に握手を求めてきた。


「初対面で馴れ馴れしいんだけど(えぇ!いきなりイケメンと握手!?)、そういうの困るのよね(嬉しすぎて死にそうなんですけど)」


「あ、ごめん…」


ひゃー!私のバカバカ!またやってしまった…


第一印象終了のお知らせ。





〜保健室〜


「もう、絶対嫌われちゃったよ〜」


私は気分が悪くなり、保健室に向かっていた。


「失礼しまーす、って誰もいないじゃん」


そういえば、保健の先生も新任がきたって噂で聞いたけど。


「もう、ベッドで寝てよ…」


「あら、お客さんかしら?」


「うわっ!居たんですか!?」


保健の先生はベッドの下から出てきた。


「ごめんなさいね、ベッドの下に物を落としちゃって!」


「はぁ、心臓に悪いので次から気をつけてください」


「了解ですっ!ってあなた具合が悪くて保健室に来たのよね?」


「はい、ちょっとクラスに馴染めなくて」


とは言うものの、自分が全部悪いんですけど。そうです、ただの自己嫌悪です。


「あら、恋の悩みかしら?」


「な、なんでそうなるのよ!」


「もう、わかりやすい〜!」


「…」


「ごめんごめん!冗談よ〜」


「もう、私教室戻ります」


「ま、待ってって!私でよかったら話聞くけど?」


「いいです、あなたは信用できないので」


私がそう言うと、先生は急に抱きついてきた。


「ちょ、ちょっと何してんのよ!」


「ねぇ〜!お願い〜!私、新任だから誰も友達いないのよ〜!」


「先生が生徒に泣きつくって、あなたの頭どうなってるのよ…」





〜オールマイティ〜


私は仕方なく、先生と少しお話しすることにした。


「おほん、それじゃ本題ね」


「いや、私はべつに恋の相談をしにきた訳じゃないんですけど」


「もう、女同士なんだし、遠慮しなくていいのよ」


うざい。なんなのよこの先生は…全くついていけない。


「あっ、そうだ!まだ私の名前を言っていなかったわね!」


「そういえばそうかも」


「私の名前は、王流(おうる) 舞子(まいこ)。以前勤めていた学校では『オールマイティ先生』って呼ばれてたわ!」


「オールマイティ…?」


「そう!この私こそが、どんな恋愛の相談もバッチリ解決してきた、恋愛のスペシャリストなの!」


「へぇ〜…」


「信用してないわね?もう、今からその力を見せてあげるわ!」


この先生のテンションはどうにかならないの?


「私は占いもやってたことがあるの」


「う、占いですか!?」


女の子にとって占いは好物なのであります!


「そうよ!だからあなたが恋愛に悩んでいることぐらいお見通しなの!」


「じゃ、じゃあ私のタイプの男性を当ててみてください」


「タイプねぇ〜」


先生は私の目を見つめ始めた。


「タイプというより、あなたは幼馴染の男に惚れているわね」


「なっ、なんでそれを!?」


「言ったでしょ?私は元占い師なんだって」


凄い!見事に当てちゃった!この先生なら私の恋も成就してくれるかも!





〜いろんな女の子〜


「そういえばあなたの名前聞いていなかったわね」


「あっ、私は麗蘭 照子です」


「照子ちゃんって言うの!?超可愛いんですけど〜!」


「そんな可愛いとかやめてください〜」


そして、私は源氏との関係や嫌われている原因などを先生に話した。


「そうなのね、照子ちゃんは自分の性格のせいで、幼馴染の彼に嫌われてしまったと」


「はい、彼が言うに、私はすぐ人に怒ってしまうらしくて、それは自分でもわかるくらい酷くて…」


「つまり、照子ちゃんは自分に素直になれないツンデレ系女子ね!」


「多分そうだと思います…」


「現実世界にもいるんだね〜!」


「な、なんですかその言い方は」


「だって、実際にはアニメや漫画と違って自分の本当の気持ちは相手に聞こえないってことでしょ?」


「確かにそうだけど…」


「じゃあさ、色々な性格試してみちゃう?」


「えっ、それってどう言う意味なの?」


「例えばだけど、肉食系女子とかメンヘラ系女子、他にも色々な性格の女の子がたくさんいるの」


「は、はぁ…」


「だから、それを全部、意中の彼に試してみればいいのよ!」


「えっ!?」


つまりそれは、私の性格を色々な〇〇系女子に変えて、源氏が一番気に入った女の子を選べばいいってこと!?


そんなこと、私にできるのかな〜?

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