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マーリン視点
それから、マーリンが自分だけの秘密の隠れ家にしている森でディアスと度々会うようになった。
一人で湖を見ていると急に後ろから声をかけられる。
「今日はなにしてるの?」
「うわぁ!どこから出てきたのよ!突然声をかけないで!びっくりしたじゃない」
ディアスはいつでも神出鬼没だ。
気付いたら後ろにいる。
軽口を叩いてはくるが下心や、大人の気持ち悪いものとは違うことがだんだんわかってきてからディアスとは良い友達になった。
ディアスは、森のことはなんでも知っていた。木ノ実がとれる場所、果物がなる木、獣道や行かない方が良いところまで。
ディアスは不思議な人だった
彼が来ると、今までいた動物たちの気配が無くなっていく。
そして彼の水色の美しい髪は、村の誰とも違う色をしていた。