1 俺宛の手紙。
読者の皆様どうもこんばんわ。そして、感想ありがとう御座います。
さて、今回はテオドールさん解説?の現状確認です。それでは本編をどぞ!
ベラさんの用意してくれた動き易そうな服を着込むと、俺は廊下に出た。
それにしても大変だった……ベラさん、着替えくらい自分でやりますから、寧ろ手伝おうとか考えないで……
いやね、本格美女メイドさんに着替えを手伝ってもらうのって女子と正面に話した事すら無い俺にはハードルが高過ぎるから…
今ヘタレとか思った奴、表に出ろ!現役童○舐めんな!!
………さて、気を取り直して行きますか。
「お待たせ。」
「いえいえ。それでは大ホールへご案内致します。」
そしてやって来たのは……体育館の何倍だろうか?それくらい天井が高く、巨大な空間だった。
極め付けは、その豪華さ。
—大きく豪華な机と椅子
—奇麗な蒼色のカーペット
—巨大だが描かれた絵が繊細な絵画の数々
—全体的に青色を基調とした銀箔付きの壁紙
—天井に飾ってある巨大なシャンデリア…青水晶、いや、蒼玉か?
唖然として固まってしまったのも仕方が無いだろう?…それに何だか場違いな気がした。
…俺はこんな所にいていいのだろうか?
今の俺は…自分でキャラをリメイクした姿だ。だから、自分で言うのも自画自賛みたいで変だが、正直この空間に違和感が無い程格好いい容姿をしている。
だが、姿形が変わろうが修業をしようが、根本と成る性格が変わった訳ではない。
とどのつまり、俺の庶民的な感覚と言えばいいだろうか?そう言ったものが変わる事は多分一生無い…多少は慣れるだろうが。
要するに………超居辛いのです、ハイ。
だって仕様がないだろう?何かここに置いてある物全てが何処からどう見ても“高級品”だって分かるんだから!!そんな場所で食事なんて出来る勝手言うんだ!!!
……汚れたら弁償出来る自信が皆無だし………
そして、俺がそんな風に固まっていると…ベラさんに
「内装、変えた方がいいかしら?」
と言われてしまった………何やら『もっと豪華に』とか『やはり一流の物を…』とか、物騒な言葉が飛び出て来たので慌てて
「いや、何か凄いね?でも何年も放置されていたみたいだし…全部掃除自分でやったの?」
と、話しを逸らした…それに今質問した内容も気になっていたからね。
「はい、全てではないのですが。」
そして、ベラさんは唐突に固まると…エプロンドレスのポケットから何か封筒を出した。渋い表情をしながら俺へ手渡した。
「…それからこちらは隆司様宛です…テオドールさんからです。」
……封筒ね…何だか嫌な予感がする……
恐る恐る開き、中を読んだ。
橘隆司様
この手紙を受け取っておられると言う事は、無事異世界へ移転出来た様ですね。安心致しました。
さて、今回こうして手紙を送らせて頂いた理由ですが、謝罪しなければ成らない事が御座います。
時間軸を他の皆様の出発した時点に合わせて隆司様を転移する約束をしていましたが、システム上のバグにより少々ずれが生じてしまいました。その結果、左記に移転した皆様と比べて隆司様は1.5年遅い時間軸で移転した事に成っております。
この様な不都合が発生した結果、他の転移者の行動によって貴方に不都合が生じると判明致しました。非常に申し訳御座いません。
そこで、私から謝罪の意味も込めて城の浄化の他、貴族としての地位と戸籍を用意致しました。貴族としての姓は“ホウゼンクラウス”で、爵位は辺境伯です。
故にガイアルーン帝国では“リュウジ・タチバナ・フォン・ホウゼンクラウス”と名乗る事になるでしょう…ああ、ステータス上は変化無いですからご安心下さい。
それから一応アドバイスですが、特に種族の欄は普段から“遮断”を掛けた上で“編集”しておいた方が良いです…出来ればベラドナの分も早急に種族を“人族”へ直した方がより安全でしょう。
これで暫くは、そちらの国で楽に過ごせるでしょう。但し、少なくとも2年以内に冒険に出て頂きます。
後、なるべく早く冒険に出て頂きたい為この手紙を読み終えると同時に冒険者必須の能力を2つ此方で付けます。
それでは良い旅を。
テオドール
……………俺マジで貴族に成っていたみたいです。
一瞬放心しかけたが何とか持ち直すと、何か頭の中に何かが流れて来た……この感覚って………
え?!やばい、頭超痛ェ!!!
直ぐ終わったかからいいけど…こういう不意打ちは止めて欲しい。
さて、ステータスを暴露すると…ありましたよ、新しい能力。ついでにどんな能力か暴露してみた。
・ザ・サバイバル:解体や清掃を始めとした、冒険者が1人で森を生き抜くのに必要な知識・技能を全て扱える能力。
・成長促進:経験値の会得や技能の修得等が向上し易くなる。なお、レベルが上がって上位相関すると、別の能力に昇格する素敵機能が有る。
………お、おう。
テオドールさん……俺何かの為に色々有難うございます。でも1.5年か…その間に色々クラスの連中はやらかしたんだろうな(遠い目)。
マジでこれだけのモノを俺に渡す事になるとか…一体何やらかしたよ?
……幸先不安だが、まあ頑張ってやって行こう。幸い容姿的には此方の種族と大差ないし…ただ、混血だから要注意だけど。
さて、俺のリアクションに焦った様子のベラにこの事を話してステータス欄を弄るか。
……そう、暴露して確認したが、俺の職業“author”はそう言う事にも使えるらしい……
”世界”とアクセスして情報を弄る能力。
そんな風に暴露されていたから、多分使い方次第では相当危険な能力だと思う。だから極力使いたくないけど…今回は致し方ない。
「……(カクカクシカジカ)…と言う訳らしいよ。」
「(チッ)それは何とも…」
……ベラさん、今舌打ちした?!と言うか…手に持っている銀食器が何か歪んでいる様な……
「ゴホン、それでどう致しますか?」
「ここで暫く籠って修業…と言いたい所だけど、1ヶ月の間にこの世界の常識と魔術の使い方、戦闘訓練等々をしたら、直ぐ出て行くよ。」
「……そうですか。了解致しました…」
やや不満げなベラさん……
「…御免ね、旅したくなかったら俺一人で行ってもいいから」
「め、滅相も御座いません!!ただ、私は不安なのです…また主殿を失ってしまっては……」
悲し気な表情をするベラさん……なるべく怪我したりしない様に頑張ろう。
「それでね、一応この国で俺…マジで貴族に成ったみたい何だよ……だから暫くここに居るから安全性を考えて、一応ステータス上の種族を2人とも偽装したい……いい?」
「勿論です。」
許可が出たので早速色々と変えました……彼女はノーライフ・クイーンから普人族、俺も人?から普人族へっと。
……あっさり終わった。
さて、お腹空いたし食べよう。席に座って……頂きます。
何か色々有って吹っ切れた成果、案外普通に”食べられ”はした。
つか、ベラさん…料理苦手ならそう言って欲しかった………今度朝食は俺が作った方がいいかもな…或いは教えるか。
うん、そうしよう。
次回も宜しく御願い致します。